東京オリンピックの選手らが来日する中、感染拡大をどう防ぐのか。長野オリンピックで医療救護ディレクターを務めるなどオリンピックの医療体制に詳しい奥寺敬さんにお話を伺いました。
Q.奥寺さん、「バブル方式」で感染拡大を防げるというふうにお考えでしょうか?
これまでのオリンピックで「バブル方式」を行った前例はありません。これまで2つのオリンピック医療などで関わっておりますが、オリンピックはとても大規模で複雑なイベントでとても「バブル」に収まるとはちょっと思えないですね。
Q.外部から隔離するということですが、働く方や、ボランティアの方などはこのバブルの中と外を行き来するわけですよね?心配なポイントというのは?
例えば、選手村の食堂は24時間営業されますし、各国の選手に合った食事を提供するわけです。当然そこでは人が集まるわけですし、交流もするわけです。ここにも大人数のスタッフなどが外から行って、ここで仕事をするわけですね。ですから既にここでもう穴が空くことになるわけです。
今大会で来日する大会関係者の数は、約5万3000人。その方たちの入国後14日間の食事は、原則、宿泊先のレストランかルームサービスを利用することになります。ただ例外的に、この2つの利用ができない場合はコンビニ、あるいはレストランの個室に行くことも可能です。
Q.このあたりの特例とについてはいかがでしょうか?
本来ならホテルのドアノブに弁当下げるぐらいの厳しい制限が望ましいと思うんです。もし例外を認めるのであれば、そこにもルールをきちっと決める。ですから、コンビニに行くならその道路も決める導線も決める。しかもそれを公開する、ぐらいのことをしないと、とても安心とは言えないような気がします。
Q.このまま、オリンピック本番を迎えることになるんでしょうか?
オリンピックは参加する国の数が多い、そして団体IOCや各競技連盟、ステークホルダー(利害関係者)が大変多いのです。実はこれまでも、直前まで修正や変更があるというのは常だったんです。ですから今、日本側も、感染状況は日々変化しています。この両方をすり合わせながら、その都度的確に対応する必要があります。ですから、これからがむしろ本丸だと思います。
Q .観客の上限は1万人に決まりましたが、観客数についてはどうお考えですか?
私が携わったアトランタオリンピックの時に救護所に運ばれる症状では、けが、熱中症、夏かぜが多い。今回はコロナ疑いの症例も入るので1万人でも大変だと思います。
Q.選手だけではなくて、そこにいる観客からこのような症状が出るということですよね。医療体制が心配ですが、現状を鑑みていかがでしょうか?
推測の域を出ないですが、開催中にもし第5波が来ていて医療現場がひっ迫していたとすれば、とてもオリンピック関係者の重症者を受け入れる余裕はないのかもしれない、この辺りがとても心配です。
からの記事と詳細 ( 東京五輪 感染対策に穴? 大会関係者に特例も… - テレビ朝日 )
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