梅から桜へ、春のにぎわいの季節になりました。これから旬を迎えていくキュウリを使った、優しくサッパリしたレシピを紹介します。
キュウリはインド北部、ヒマラヤ山麓原産といわれ、日本には薬用として六世紀ごろに入ってきたそうです。江戸時代終盤から品種改良が進み、明治時代になって別の品種が入り、昭和に入ってから栽培が盛んになったようです。
江戸時代ごろまでは完熟させて食べていたため「黄瓜(きうり)」と呼ばれていたとのこと。苦くなるので、水戸黄門として知られる徳川光圀は「毒多くして能無し。植えるべからず。食べるべからず」とまで言っていたのだとか。
今では季節を問わず楽しめます。露地栽培では時季によって春キュウリ、夏キュウリ、秋キュウリがあります。ハウス栽培も盛ん。全国比での茨城県の収穫量が多いのは冬、春です。
キュウリは淡色野菜の仲間で約95%が水分です。百グラム当たりの熱量が十三キロカロリー。ギネス世界記録で「カロリーが最も低い果物」とされています。ビタミンCやカリウム、食物繊維を含みます。栄養的にはβカロテンを含む皮ごと食べるのがオススメ。むくみ改善にも効果があります。「ビタミンCを壊す」ともいわれますが、体内で変化させるだけで壊すことはありません。酢の物やぬか漬けにするとキュウリに足りない栄養素が取りやすく、相性が良いです。
今回はキュウリをいつもとちょっと変わった食感で、すりおろしてご飯にのっけます。食べる直前まで冷やしておくと、よりご飯とのコントラストでおいしくいただけます。冷ややっこや焼いた厚揚げにのせてもおいしいです。食塩控えめ、優しくいただける味になっているので、豆腐などにのせる場合はしょうゆを小さじ1/2程度足してみてください。
◆材料 2人分
(1人当たり328キロカロリー、食塩相当量0・9グラム)
ご飯2膳(180グラム×2)、キュウリ2本(200グラム)、長ネギ1/2本(50グラム)、ニンニク1かけ、しょうゆ小さじ2、ごま油小さじ1、ラー油お好み
◆作り方
(1)キュウリはすりおろし、ザルで水気を切る。出た水分は汁物などに。ニンニクもすりおろす。長ネギはみじん切りにする。
(2)長ネギとしょうゆを耐熱ボウルに入れてふんわりラップし、600ワットで1分半加熱して粗熱を取る。
(3)粗熱が取れたらキュウリ、ニンニク、ごま油をボウルに加えて混ぜる。食べる直前まで冷蔵庫で冷やす。
(4)温かいご飯にのせる。
<やまと・さおり> 管理栄養士、料理研究家。1989年、水戸市生まれ。東京農大卒。市内で「お料理教室オムスビ」を開講している。
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