マウンドに立つノースアジア大明桜の150キロ右腕、風間の表情は回を追うごとに厳しくなっていった。22日の第1試合。1球でも多く投げさせるという明徳打線の「風間攻略」が順調に進んでいる証だった。低めの変化球は見極め、追い込まれた後のストレートはファウルにした。投球数が100球を超え、剛腕の足元が揺らぎ始めた五回につかまえた。
1死から、米崎が142キロをセンター左に弾き返す三塁打。2死となり、打席には三回にも速球を適時内野安打とした森松。「走者が三塁。落ちる変化球はない」。風間の111球目、思った通りの低めの150キロをジャストミートすると、右前への勝ち越し適時打になった。森松は「全員でできることをやった結果」と声を弾ませた。
風間との対戦が決まった後、準備を進めた。角度のある球への対策として、パレットの上に打撃マシンを置いて50センチ以上高くして練習。研究も怠らなかった。「風間君は牽制(けんせい)が苦手」(馬淵監督)ということを突き止め、県大会から1つもなかった盗塁を決めるなど、足でも揺さぶった。
県大会でも決勝でプロ注目の速球派、高知の森木を打ち崩した。馬淵監督は「150キロはマシンで練習してきた。選手に聞いたら(風間は)速くないと言っていた。スピードについていけるから、ボールを振らない。風間君は嫌だったんじゃないかな」と話した。
風間が139球を投げて降板すると、七回からの2番手以降から6得点と突き放した。周到な準備と、それを試合で出せる技術。甲子園の常連校らしい、明徳の試合巧者ぶりが際立ったゲームだった。(鮫島敬三)
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