有給の取得義務化によってどう変化したのか
有給休暇取得が義務化された効果はどれほどあったのでしょうか(写真:Love portrait and love the world / iStock)
2019年4月に年5日の有給休暇取得が義務化された。罰則を伴う義務化ということもあり、より一層有給休暇の取得推進に取り組んだ企業も多かっただろう。しかし、2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、「余暇を楽しむ」ための休暇は取りづらい環境が続いている。
では、実際に有給休暇の取得義務化はどれほど効果があったのだろうか。今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2021年版に収録している各企業の有給休暇取得率の最新データ(2019年度基準)を基に、取得率の高い200社をランキングした。
なお、本ランキングは同誌の掲載企業1614社のうち、3年連続で有給休暇取得率を開示している1113社を対象とした。平均付与日数が10日未満の企業は対象外としている。取得した有給休暇には前年度繰り越し分も含めるため、有給休暇取得率は100%を超える場合がある。
取得率トップはDMG森精機
1位はNC旋盤・マシニングセンタ大手のDMG森精機だ。繰り越し消化分も含め、3年平均取得率は101.5%と完全消化状態。昨年の10位から大きく順位を上げた。さらに同社は、2022年5月までに有給休暇の平均取得日数を25日まで増やすとしている。
2位のホンダは本ランキングでも上位常連だ。1970年代から有給休暇の繰り越し消化をなくす「年次有給休暇カットゼロ運動」に取り組んでおり、有給休暇の連続取得奨励制度も導入している。
3位のトヨタ系部品大手のアイシンも、有給休暇のカットゼロ運動を展開しており、最低年14日の有給休暇取得に取り組んでいる(組合員が対象)。
4位は関西電力だ。中期経営計画(2019-2021年)に掲げた「有給休暇取得率90%以上」という目標を着実に達成している。
5位はホンダ系部品メーカーのテイ・エス テック。半日単位の有給休暇取得制度の拡充などを進め、着実に取得率を向上させている。
6位も同じくホンダ系部品メーカーのケーヒン。なお、同社はショーワ、日信工業とともに、日立オートモティブシステムズと合併し、2021年1月に日立Astemoとなった。合併後も高い取得率を維持できるかが注目される。
そのほか、7位にコマツ、8位にダイハツ工業、9位に京浜急行電鉄、10位に東海理化がランクインした。
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