
旧日本軍の元慰安婦が日本政府に慰謝料を求めた訴訟で、韓国の裁判所は日本政府に慰謝料を支払うよう命じた。日本政府は強く反発し、元徴用工問題をきっかけに冷え込む日韓関係をさらに悪化させるのは必至となった。 【写真】「ポンコツ戦闘機」F35、こんなに買っちゃって本当に大丈夫? 日韓の関係悪化は、双方の安全保障問題に暗い陰を落している。地政学的に良好な関係の維持が欠かせない日韓の両政府間にまともな対話がなく、連携が困難な現状は米国、ロシア、中国といった軍事大国の思惑がそのまま通る形となっているからだ。
米国の「攻勢」
まず、日韓双方の同盟国の米国は、駐留米軍経費負担をめぐって、日本と韓国に対して攻勢に出ている。その解説をする前に海外の米軍基地についての説明が必要だろう。 米国防総省が公表した2018米会計年度の「基地構造報告書」によると、米国は世界45カ国に米軍基地を置く。そのうちドイツが194基地と最も多く、日本が121基地、韓国が83基地の順だ。 欧州と東アジアに米軍基地が多いのは、米国が第2次世界大戦で欧州戦線と太平洋戦線に参戦したことによる。終戦後、ソ連と対立する冷戦に突入し、駐留を継続した。 冷戦が終わると、米国は海外基地を整理・縮小したが、ロシアによるウクライナ内戦への介入やクリミア半島併合があり、欧州の駐留は継続。東アジアでは、北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、また中国が急速に台頭したことにより、在韓米軍、在日米軍の存在意義が薄れることはなかった。 米軍基地は地域経済に貢献する一方で、米政府は基地が所在する各国政府に対し、駐留経費の負担を求めている。 米国防総省が2004年に発表した駐留経費の統計によると、日本の負担額は44億1100万ドルでトップ。駐留経費の実に74.5%を負担している。次いでドイツが15億6400万ドル(32.6%)、韓国が8億4300万ドル(40%)と続く。 日本はドイツ、韓国と比べても、気前よく駐留経費を支払う「スポンサー国」となっていることがわかる。 米国が各国政府と結んだ地位協定をみると、ドイツ、イタリアの米軍基地に当該国の主権が及ぶのに対し、日本の米軍基地は日本側が立ち入れない不可侵領域となり、米兵には日本の法律も及ばない。米軍にとって日本は天国のような国なのだ。
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