[ニューヨーク/ヒューストン 15日 ロイター] - 米シェールオイル生産会社各社は、原油価格がほぼ1年ぶりの高値水準に上昇していることを利用して、先物・オプション市場で売りヘッジを行い、将来の売却価格を現在の高値水準で固定しているもようだ。複数の関係筋が明らかにした。
米原油先物相場は今月、1バレル=50ドル超に上昇し、昨年2月以来の高値を付けた。この値上がりでシェール会社の間では期待感が広がったが、新型コロナウイルスの世界的流行による需要崩壊に身構える状況が続く中、増産する準備はできていない。
米原油生産は2019年終盤に日量約1300万バレルとピークに達したが、新型コロナのロックダウン(都市封鎖)措置などで燃料需要が急減、原油価格が大幅下落し、現在は同1100万バレル前後となっている。年内に生産が大幅に増えるとは予想されていないが、いまヘッジした分は、仮に今後再び価格が下がったとしても、バレル当たり50ドル超での販売が保証されている。
水圧破砕掘削(フラッキング)で北米2位のリバティ・オイルフィールド・サービシズのクリス・ライト最高経営責任者(CEO)は「ヘッジが多く行われている」と指摘。「現在の価格水準なら、広範な鉱区を持つ生産会社はかなりうまくやっていけるだろう」と語った。
石油・ガス業界に助言している米投資銀行ペトリエ・パートナーズのペトリエ会長は、現在ヘッジを行っている生産各社は生産の約15─20%分をヘッジしている可能性が高いとの見解を示した。
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