<せんだい進行形>コンパクトマンション、仙台中心部に続々 高い資産性が女性に人気
仙台市中心部で単身、2人暮らし用の分譲マンションの供給が相次いでいる。広さ30平方メートル台からのコンパクトな間取りに高機能の設備を充実させ、女性を中心に引き合いが強い。価格は2000万円台後半からで、好立地の物件として資産性の高さにも注目が集まっている。
フージャースコーポレーション(東京)は近く、青葉区上杉2丁目の「デュオヴェール仙台上杉」の販売を始める。女性を主なターゲットにしたマンションとして首都圏や地方都市で好評のシリーズを仙台で初めて手掛ける。31〜41平方メートルの1、2LDKを計58戸備える。
女性社員や女性デザイナーがチームを組み、細部に目を配った設備が特徴。脱衣所は鏡をL字に広げて洗面台と化粧台を一体化し、棚の下には体重計を隠せる。収納スペースには2センチ間隔の可動棚を設け、女性でも手が届きやすくした。
問い合わせ300件
仙台駅前にモデルルームを開設した9月下旬には、既に問い合わせが約300件あり、ほとんどが女性だった。担当者は「結婚、出産などのライフステージに合わせ、売ったり、貸したりできる資産性の高さが評価されている」と話す。
タカラレーベン東北(仙台市)は、宮城野区車町の「ネベル仙台」(52戸)、青葉区一番町1丁目の「ネベル一番町」(33戸)の2棟を販売中だ。ウォークインクローゼットや浴室テレビ、食器洗い乾燥機を完備する。
30〜60平方メートル台の1、2LDKを展開する。同社によると、1LDKを中心に女性の人気が高い。我妻美香取締役(36)は「女性は将来への不安から現実的に不動産を考え、男性は家に夢を託す傾向がある」と表現する。
19年以降に6棟
2015年の国勢調査によると、市内の単身世帯は43.2%を占め、2人世帯を加えると計67.6%に上る。コンパクトマンションの需要は高まり、市中心部で19年以降、少なくとも6棟の供給があった。賃貸マンションの家賃の高止まりと、住宅ローンの金利の低さも購入を後押しする。
市内の不動産調査会社の代表は「『マンションと言えばとにかく3LDK』という時代ではない。世帯構成が多様化する上、中心部には適地がまだあり、コンパクトマンションの供給は続くのではないか」と分析する。
高機能の設備を備え、坪単価はタワーマンションを上回る水準という。別の不動産関係者は「首都圏は投資用にコンパクトマンションを買う人も多いが、仙台は実需が大半を占める。好立地のため価格は高く、今後も需要があるかどうかは不透明だ」と指摘する。
2020年11月28日土曜日
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