
● 不動産市場は減速したが バブル崩壊は起きていない 今年4月の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発令以降、不動産市場に大激変が起きた。インバウンド需要を見込んでいたホテル、飲食店などの商業系は自粛ムードで閑古鳥が鳴く日々が続いた。こうした中、民主党から自民党に政権交代した2012年12月以降、長らく続いてきた不動産市場の上昇基調にもブレーキがかかり、「バブル崩壊か?」といった声も各種メディアから聞こえた。 【この記事の画像を見る】 しかし結論を言えば、そうしたことは一切起こっていない。理由は簡単で、1990年代やリーマン・ショック前のバブル崩壊とは異なり、今回は日米欧の同時金融緩和、とりわけ日米は無制限金融緩和を行うことで、金融システムが崩壊することを阻止したためだ。一時1万6000円台をつけた日経平均株価も現在は2万3000円台と、すっかりコロナ禍前の水準に戻っている。 国土交通省が8月29日発表した7月1日時点の基準地価は、全国平均(全用途)の変動率が前年比マイナス0.6%と、2017年以来3年ぶりの下落。商業地はマイナス0.3%と5年ぶりに下落に転じ、昨年、28年ぶりに上昇した地方圏の商業地は再び下落に転じた。住宅地はマイナス0.7%と下落幅を拡大させている。 以下、商業地と住宅地の状況について、詳しく見ていこう。
● インバウンド需要の激減で 不透明感が強まる商業地 商業地は新型コロナの影響が最も大きかった分野だ。地価押し上げの大きな要因となっていたインバウンド需要が今年に入って激減し、不透明感が強まっている。訪日外国人客がほぼ消滅したことに加え、緊急事態宣言などによる外出自粛や店舗への休業要請で国内の経済活動も大幅に停滞した。 かつてホテルや商業施設用の不動産取引が活況だった地方の観光地や、東京の銀座や新宿、大阪の道頓堀付近など、繁華街エリアにおいて値下がりが目立つ。 最高価格は東京都中央区の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり4100万円。また、最も上昇率が大きかったのは住宅地、商業地とも、リゾート開発が活発な沖縄県宮古島市でプラス30%を超えた。 地域別では地方圏と名古屋圏の下げが大きい一方、札幌、仙台、広島、福岡の底堅さも目立つ。三大都市圏より高利回りを求めた投資マネーが流れ込み再開発が進んでいるためだ。 ホテル投資は今後しばらく冷え込むことになりそうだが、心配ない。そもそも都市部のホテル用地は新築マンション用地取得と競合しており、昨今は取得単価の高いホテルが圧勝してきた。そのため、新築マンションは年々発売戸数を減らしており、ホテルが撤退してもマンション用地に取って代わるだけだ。 東京・銀座に象徴される商業地も、仮に現在の店舗が撤退してもニーズは高く、多少の賃料下げはあってもすぐに埋まるだろう。 ● コロナ前の活況に 戻りつつある住宅地 東京、大阪、名古屋の3大都市圏の住宅地はすべてマイナスとなり、東京、大阪が下落したのは7年ぶり、名古屋は8年ぶりだ。 また、地方圏は住宅地がマイナス0.9%と下落幅が拡大。札幌、仙台、広島、福岡の4市は住宅地がプラス3.6%、商業地がプラス6.1%といずれも上昇を維持したものの、伸び率は縮んだ。 ところが現場は活況だ。
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October 16, 2020 at 04:01AM
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