新型コロナウイルス感染症の拡大で休校中の小学生たちに、長時間のオンライン学習によってゲームやテレビよりも高い疲労が起きている恐れがある−。群馬大社会情報学部(前橋市)の伊藤賢一教授ら計十九人でつくるプロジェクトチームは二十七日、オンラインで記者会見し、保護者への調査報告書を発表した。伊藤教授は、保護者や教職員の配慮と大規模な実態調査の必要性を訴えている。(市川勘太郎)
調査はインターネットを通じて児童がいる保護者からモニターを募り、今月一日〜七日の間に全国の保護者計千三百人が児童から聞いて回答した。
調査では、児童が「めまいがする」「肩がこる」など十症状の合計点数から疲労度を高、中、低、なしに分類。利用目的をオンライン学習と、娯楽のゲームと動画や、別途テレビ番組に分け、総称として「メディア接触」と定義した。
メディア接触が四時間を超え、オンライン学習も三時間を超える計八十二人の疲労度は「高」が20%。メディア接触の時間は同じだが、娯楽で三時間を超えて利用する計百十八人の疲労度「高」は7%にとどまり、オンライン学習の方が疲労度が高いと分かった。
同じくメディア接触が四時間を超え、利用目的別で疲労度「高」に「中」を加えた割合を比較すると、オンライン学習が八十二人の33%、娯楽が百十八人の23%、テレビが十六人の13%だった。
オンライン学習を長時間利用すると疲労が起きる原因として、小さな画面を見ることによる目の疲労や画面の光刺激による目や脳の疲労を挙げた。伊藤教授は「オンライン学習が今後も続くとみられ、児童の疲労に配慮が必要ではないか。学校現場で子どもや保護者に協力してもらい、数万人規模で詳しい実態調査を行うのが望ましい」との見方を示した。
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