8月31日、山梨県早川町の物置小屋で都内の私立高校に通う鷲野花夏(かな)さん(18)が変わり果てた姿となって発見された。東京・墨田区の自宅から150キロ以上も離れた山あいの地へと彼女を導いたのもまた、SNSだった。 社会部記者が解説する。 「花夏さんが行方不明となったのは8月28日のこと。午後3時半に“友人に会いに行く”と言って出掛けたまま帰らず、母親が警察に通報したのです」 母親の心配通り、彼女が会いに行ったのは、単なる“友人”ではなかった。 彼女は自宅を出た直後に、近所の駐車場で待っていた一台の乗用車に乗り込んだ。 8月31日に死体遺棄容疑で警視庁に逮捕された小森章平容疑者(27)と妻の和美容疑者(28)の車である。 「30日の夜、夫婦の車が長野県内を走行しているのを確認。捜査員が職務質問をしたところ、花夏さんの遺体を遺棄したことを認めたのです。彼女の背中には4カ所の刺し傷、さらにロープで首を絞められた痕もあり、強い殺意が窺えた」(同) 警察の調べに対して、逮捕された夫は“妻が嫉妬をした”と供述。 「章平は花夏さんとの交際関係を否定していますが、和美は二人の関係を邪推していた。三角関係がもたらした悲劇だったのです」(同) 夫婦が住んでいたのは、妻の故郷である群馬県渋川市。籍を入れて1年もたたない新婚だったというが、二人の存在は地元では有名だった。 近所の住人によれば、 「奥さんは今の夫と結婚する前、別のパートナーとここで同棲していたんです。確かお相手は新聞配達をしている人で、二人の間には子どももいた。ただ今年初め、男のDVを理由に二人は別れてしまいました」 ところが、ほどなくして和美は、新たに夫となる章平を連れて帰って来た。 「今の旦那さんは三重県四日市で溶接工として働いていたそう。無断欠勤が多くてクビになったとかで、こちらで暮らすことになったみたい。二人が住んでいる家は奥さんが前の男と交際しているときに、大家から十数万円という破格の安値で譲ってもらった、築40年以上のボロ家です」(同) 自宅近くのコンビニでアルバイトをしていた和美には、制服の名札に「ゆでたまご」と記すなど変わった一面があった。だが、 「章平を連れ帰った直後には近所に挨拶廻りするなど、ここらでは礼儀正しい印象でしたよ。よく鈴鹿ナンバーをつけたホンダのアコードでドライブにも出かけていました」(同) 二人が愛を育んだ車内は、花夏さんを乗せたときから修羅の空間となったはずだ。その原因となったのは、夫のツイッターだったという。 先の記者いわく、 「章平は多趣味で、サバイバルゲームやネットゲーム、キャンプなどをしては、その様子をSNSにアップしていました。フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどで複数のアカウントを持ち、多くの人と交流していたようです。ツイッターは、例えば趣味ごとにアカウントを使い分けることで、同じ趣味を持った仲間と簡単に出会うことができる。花夏さんもツイッターで章平と知り合い、トラブルに巻き込まれてしまった」 章平は「妻に付き合わされた」と供述しているという。 「花夏さんを遺棄した物置小屋も彼がお気に入りだったキャンプ場の近く。土地勘があったのかもしれませんね」(同) 一人っ子で両親や祖父母と暮らしていた花夏さん。 祖父は、 「友達と買い物に行った後、英語の塾だよと言っていたのに、帰ってこなかった。本当に良い孫でした」 と言って悲嘆にくれるばかりだ。
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