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Thursday, July 1, 2021

サッカー大会がスコットランドの1991人の感染に関係 大半はロンドンに移動 - BBCニュース

scotland fans in london

画像提供, Getty Images

スコットランド保健当局は6月30日、スコットランドの新型コロナウイルスの感染者増とサッカー2020年欧州選手権(ユーロ2020)観戦の関係を示す報告書を発表した。

スコットランド公衆衛生庁の報告によると、6月27日までの1週間でスコットランドでは1万7351人の感染が確認された。通常スコットランドに住み、6月11~28日にかけて、サッカー2020年欧州選手権(ユーロ2020)の観戦やイベント参加を1回以上した人では1991人の感染が確認されたという。

この1991人のうち、約3分の2にあたる1294人が6月18日のスコットランド対イングランド戦のため、ロンドンに移動していたという。また、そのうち394人は試合が行われたロンドンのウェンブリー・スタジアムの中で、試合を観戦していた。1991人のうち、9割が男性で、1470人が20~39歳だという。

1991人の中には、スコットランド・グラスゴーに設けられたファンゾーンで観戦した、あるいはグラスゴーのハムデンパークで行われた地元戦を観戦したという人も、計130人含まれる。

ウェンブリーでの対イングランド戦では、感染対策のため、スコットランド・サポーターに割り当てられたチケットは2600枚だけだった。

チケットのない人はロンドンに移動しないように警告されていたものの、数万人が6月18日にロンドンに大挙して押し寄せたとみられている。

その多くが試合開始前からロンドン中心部に集まった。繁華街の中心にある広場、レスター・スクエアでは群衆となり、ハーフタイムになると警察が退去させた。

二次感染の規模は不明

スコットランド自治政府の医療責任者、ジェイソン・リーチ教授は、6月11日以降スコットランドで記録された感染者約3万2500人のうち、2000人近くがユーロ2020に関連して行動していたことは残念だと話した。

ただし、試合を観戦中の感染なのか、別の場所なのか、さらにどれだけの二次感染が起きているのかは不明だという。

「自分がロンドンに持ち込んだ人もいるかもしれないし、帰宅してから感染した人もいるかもしれない」とリーチ教授は述べた。その上で、「ただし、男性の数が増えていて、若者の数が増えていて、ユーロ関連イベントに参加したことが確認されている人、特に屋内のユーロ関連イベントやバス利用、長距離移動などがわかっている人の数が増えている。そのため、感染者の増加とユーロ大会との関係は確実だろうと思われる」と説明した。

ただし、「これはユーロ・ウイルスではない」ので、「ユーロに行かず、サッカーを見ていなかったとしても感染することはある」と強調した。

scotland fans at wembley

画像提供, Getty Images

スコットランドのファン、マイケル・マクリーンさん(21)はBBCラジオ・スコットランドに対して、対イングランド戦のためロンドンに行った後、感染が判明したと話した。

マクリーンさんは、インヴァネスから電車でロンドンへ向かい、3泊した。複数のパブを訪れ、レスター・スクエアでは他のサポーターたちと一緒に集まったという。

スコットランドに帰宅してから数日後、感染症COVID-19の症状が出始めた。

「感染拡大のスプレッダーになったのは、レスター・スクエアだと思う」と、マクリーンさんは話した。

「最高の経験だったけど、COVID-19にかかってすごくショックだ。自分にも仕事にも、友達にも影響が出ているので」

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cases 30 june
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スコットランドでは30日、ウイルス検査件数の9.8%にあたる3887人の新規感染者が確認された。それまでの7日間の新規感染者は2万511人だった。

COVID-19関連の入院件数と死者数も増えているが、パンデミック当初の規模とは大きく異なる。

スコットランド自治政府のハムザ・ユサフ保健相は、今回の発表に先立ちBBCスコットランドに対し、若者の感染者のうち明らかに「若い男性の感染が極端に多い」と話し、屋内のユーロ2020観戦イベントが関係している可能性に言及していた。

自治政府のニコラ・スタージョン首相は29日、サッカー・ファンへの対応が緩いのではないかと批判され、「やんわりした対応などしていない」とこれを否定。「ウェンブリーのチケットがないファンには、ロンドンに行くなとはっきり言っていた。しかし、移動する全員を直接制止するわけにはいかないし、相当の人数が実際にロンドンへ移動した」と述べていた。

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<分析> ニック・トリグル保健担当編集委員

Analysis box by Nick Triggle, health correspondent

サッカー観戦で大勢が集まったことが、スコットランドでの感染拡大の原因ではないかと、かなり取りざたされてきた。

スタジアムやファンゾーンに大勢が集まる光景からも、そう思われやすい。

ただし、今回のデータはその答えにならない。

発表されたのは追跡調査データで、濃厚接触者に自主隔離を求めるために使われるものだ。

個人がどこで感染したのかは分からない。陽性になった人がどこにいたかが分かるだけだ。

なので、対象期間に判明した新規感染者のうち6%が、競技場やファンゾーンや誰かの家やパブで、試合を観ていたことが明らかになったに過ぎない。

スコットランドにとって23年ぶりのユーロ出場を喜んで楽しむ人たちがいたのは、何も不思議ではない。

それが、複数の感染につながったことはあり得る。しかし、屋外で試合を観ることよりも、パブで一杯やったり、試合会場へ公共交通機関を使うことのほうが感染リスクは高い。そして、いずれにしろそれだけでは、スコットランドの感染者急増を説明しきれない。

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