2017年に「オウムアムア」という巨大な恒星間天体が太陽系を通過した。 この天体は科学者たちを困惑させた。ある人は彗星だと考え、ある人はエイリアンの宇宙船だと指摘した。 【全画像をみる】恒星間天体「オウムアムア」は太陽系外惑星のかけら…彗星でも小惑星でも、エイリアンの乗り物でもない 新たな研究によると、オウムアムアは他の太陽系に属する冥王星のような惑星のかけらだという。 2017年に巨大な宇宙の物体が地球のそばを通過した。その起源や正体は依然として謎のままだ。 ハワイ語で「偵察者」や「使者」を意味する「オウムアムア(Oumuamua)」と名付けられたその物体は、他の恒星系から飛来したことを強く示唆する軌道を描き、初めて発見された恒星間天体となった。 しかし、その正体は何なのか。ハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ(Avi Loeb)などの研究者たちは、この物体をエイリアンの宇宙船だと主張した。また、小惑星あるいは恒星間の彗星ではないかと考える研究者もいる。 しかし、アメリカ地球物理学連合(AGU)の学術誌に掲載された2つの論文は、別の説を唱えている。それによると「オウムアムア」は別の太陽系に属する小さな惑星のかけらが飛来したものだという。 「我々は『オウムアムア』とは何かという謎を解明したと思う。『外部の冥王星』、つまり別の太陽系に属する冥王星のような惑星のかけらであると合理的に説明できる」と、アリゾナ州立大学の宇宙物理学者であり、論文の共著者であるスティーブン・デッシュ(Steven Desch)は、プレスリリースで述べた。
凍った窒素でできた惑星のかけら
デッシュらは、5億年前、宇宙を飛び交う物体がオウムアムアの親にあたる惑星に衝突したと考えており、そのかけらが我々の太陽系に向かってくることになったという。 オウムアムアは氷で覆われていたが、太陽に近づくにつれて熱で氷が蒸発したため、スピードを上げたと彼らは考えている。これは「ロケット効果」と呼ばれ、彗星も同様の動きをする。 オウムアムアの組成は不明であるため、どのような種類の氷であれば昇華(固体から気体に変化すること)してロケット効果が得られるかを計算したところ、冥王星や海王星の衛星トリトンの表面と同じように、窒素の氷でできている可能性が高いという結論に達した。 オウムアムアが我々の太陽系、そして太陽に近づくにつれ、その表面の凍った窒素の層は剥がれていった。この天体は1995年に太陽系に突入していたが、誰もそれに気がつかず、その後、オウムアムアは質量の95%を失い、表面が溶け落ちて細長いかけらになったと、論文の著者は述べた。
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