「その選択をしてくれてありがとう」共演者も当事者の判断を称賛、啓蒙活動の一環にも
他にも『ひるおび!』(TBS系)に出演するTBSの江藤愛アナウンサーも、体温が平熱よりも高いとして4月24、27、28日と番組を欠席。お笑いタレントのビビる大木は、37度の発熱で4月19日の『追跡LIVE!SPORTSウォッチャー』(テレビ東京ほか)を欠席。所属するワタナベエンタテイメントは、番組出演へ独自のルールを決定しており、多くの企業が基準にしている37.5度以上ではなく、より厳格な37度以上を基準としていたからこその判断だったという。
また、タレントのミッツ・マングローブも発熱と味覚障害があるとして、自主的に番組出演を自粛・自宅隔離したり、三代目 J SOUL BROTHERSの山下健二郎も平熱を上回る発熱のため冠ラジオ出演見合わせ。お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜は、発熱はなく、気圧や寒暖差の変化による頭痛や小麦アレルギーのような症状が出ているため大事をとって『スッキリ!』(日本テレビ系)を欠席している。こういった欠席に関しては、おおむね世間的にも好意的に捉えられているといえるだろう。
過去のスターたちの武勇伝がある種の基準に…「穴をあけない」が芸能界の掟
他にもドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)では、長男の周平を演じた故・西城秀樹さんが、父・貫太郎と親子げんかをするお決まりのシーンで勢いよく投げ飛ばされて腕を骨折。実際には入院していたものの、放送では次のシーンから腕にギプスが巻かれた状態で出演していた。これも今となっては伝説として語られている。
平成に入ってからも、こういった「芸能人は無理してナンボ」的な風習は継続。病気や怪我は「悟られないもの」であり、「何事もなかったかのように」振る舞うのが芸能界の掟だった。伝えるとしても「実は怪我・病気を押しての出演だった」的な事後報告というのが通例であり、美学ともされてきた。
近年はインフルエンザなどで欠席も増えていたものの、「代わりがいない」責任感や、「代わりはいくらでもいる」恐怖感の狭間で揺れるタレントが大多数の芸能界で、「多少の無理」は付き物と言えるだろう。芸能人ではないが、メインキャスターを務める『報道ステーション』への出演を見合わせ、4日に復帰する富川悠太アナウンサーも上記のマインドだったと言えるだろう。
コロナ禍で加速? 芸能界の“働き方改革”
例えば『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では、「生のナンチャンはどっち!?」という、左右2分割された画面で、かつての映像の南原清隆とリモート中継中の南原を同時に流し、どっちが生放送なのかを当てるクイズをして評判となった。またドラマでは、『警視庁・捜査一課長2020』(テレビ朝日系)が、過去のドラマシリーズの再放送に「テレワーク捜査会議」というミニドラマを加えた特別編を2回放送し、どちらも視聴率10%超えして話題になっている。
今回はウイルスを広めないことが何よりも求められ、たとえメディアであっても逆行する行動は、SNSユーザーをはじめバッシングの対象となることから、より慎重になっている…という面もあるだろう。だが、無理をせずに感染防止策を行い、工夫して番組を継続している成功例が生まれているのは事実なのだ。
緊急事態宣言は解除されたが、第2波・第3波への不安も抱える日本。そしてコロナ以前の生活に100%戻ることは不可能ともされているが、芸能界も“働き方改革”を進めていかなければならないし、“新しいテレビ様式”にも慣れていかなければならないのだろう。
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May 31, 2020 at 10:00PM
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「平熱より少し高い」タレントのレギュラー番組“欠席”が増加、芸能界も“無理をしない選択”へ - ORICON NEWS
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