強力なヒーター、適切な角度で設けられた吹き出し口
オープン走行ではどうか? 取材時は季節外れの暖かさとはいえ肌寒く、風は冷たい。そんな天候でも前席はこれ以上ないほどに快適だ。メルセデス・ベンツのオープンモデルに共通する美点で、強力なヒーターと適切な角度で設けられた吹き出し口で寒さを感じない。
以前、Cクラス カブリオレで真冬の高速道路を走行する機会があったが、今回のEクラス カブリオレと同じく風の巻き込みは少なかった。これにはボディの高い整流効果だけでなく、フロントウィンドウ上部のボディ部分に内蔵されたディフレクターによる風の巻き込み抑制が効いている。
また、運転席と助手席のヘッドレスト下部には、ちょうど乗員の首元にむけて温風が流れるエアスカーフ(セットオプション装備)やシートヒーターの併用によって、真冬でも快適にオープン走行が楽しめる。ND型ロードスターのヒーターは強力で、吹き出し口の角度設計には細心の注意を払ったとマツダの技術者から伺っているものの、首元が暖かくなるエアスカーフには心底憧れる。
さすがに後席はまともに風を受ける。エアキャップのON/OFFを試してみれば確かにその効果は感じられるものの、エアスカーフがないため強力なヒーティングシステムをもってしてもやはり寒い。もっとも、このあたりは後席のあるオープンカーに共通する構造的な課題なのでメルセデス・ベンツを責めるのは酷だが、いずれにしろ前席と同じ暖かさは後席では得られない。
定評のある先進安全技術や、AR技術(ARは高速道路で使用できず)を用いたMBUXはセダン/ステーションワゴンと同様に、クーペ/カブリオレにも装備される。そのMBUXには新たに「MBUXインテリアアシスタント」として、ジェスチャーでディスプレイ表示内容を部分的にコントロールできるほか、センターディスプレイ下部に指で“V字”をかざすと、「お気に入り」で登録したコマンドを実行することができる。
これはなかなか実用的なHMIだったが、残念ながらこのMBUXインテリアアシスタントは現時点でカブリオレには装着されない。オープン走行時、強い外光を受けてしまうとコントラストの関係から正常に機能しないのかもしれない。同様にカブリオレのタッチパッドは従来型のままだ。
優雅な2台は誰からも憧れを抱かれる2台。なかでも先進安全技術好き(S204型Cクラス乗り)で、オープンカー好き(ND型ロードスター乗り)の筆者にとって、憧れの的はA238型を名乗るEクラス カブリオレ。いつか手に入れたい、そう思える試乗でした。
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