コロナ禍に見舞われ、まだゴールの見えない今、自分自身や家族について見つめ直した人は多いだろう。女優・石原さとみが、テレビ東京ドラマ初主演を飾る新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』は、余命宣告をうけた一人の女性と、彼女を取り巻く家族の絆を、岡田惠和がオリジナル脚本で描く。自分の余命がわずかだと知り、そのことを隠しながら実家の父の元へと突然帰省する主人公を演じた石原が、自らの家族との関係、また家族から贈られ、自身の指針となっている言葉を明かしてくれた。
【写真】どこから見ても美しい 石原さとみの撮り下ろしカット(9枚)■母の病気がきっかけで、より深まった家族との絆
石原演じる田渕ゆり子は、父に真実を伝えないまま帰省をするが、石原自身は「私がもし同じ状況に置かれたら、大切な人たちにすぐ話すと思います」と即答。もともと子どもの頃から会話の絶えない家族だったというが、20代半ばのとき、大きな変化があったと明かした。
「母が病気になったんです。手術をすることになって、手術中に初めて父と2人、病室でじっくり話しました。それこそ、母との出会いから、プロポーズはどんなだったのか。いろいろ全部聞いたんです。改めて『お父さんもお母さんも20代の頃があったんだな』って」としみじみ思ったという。
「当たり前のことですけど、そう実感できました。毎日のようにお見舞いに行っていたので、母とも2人きりで過ごす時間を持てて、『こういうつらい時期があった』とか、母個人としての話をじっくり聞きました。両親という絶対的な存在だったものが、初めて“人と人”として向き合うことができたんです。不安な時期を一緒に乗り越えた兄との絆も深まりましたし、そこからはまた家族の関係が変わりました」。
■自身を形づくった母からの言葉「分からないことは、分からないと聞きなさい」
また、自身が病気になったら、おそらくその病気についてとことん調べると言う石原。そうした探究心の強い性格には、子どもの頃からの母の言葉が影響していると話す。
「小学生の頃から、『分からないことは、分からないと聞きなさい』と母が口を酸っぱくして言っていました。それが私の性格の芯になっています。『わたしのグランパ』(2003年)という映画でデビューしたときも、初めての現場に照明や録音の機材と、初めて見るものばかりで、『これは何ですか?』と聞いて回りました。皆さん、『さとみちゃん、これはね…』と優しく教えてくださって(笑)。すごくよく覚えています。その頃から、基本的な性格はずっと変わっていなくて、とにかく好奇心が旺盛。それは母がその言葉を贈り続けてくれたことが大きいです」と断言する。
そしてこう感謝した。「そのおかげで、今、好奇心や知識欲があり、変化を恐れず、『成長したい、自分には伸びしろがある』と思える自分になっている。今回のドラマのタイトルは『人生最高の贈りもの』ですが、私にとっては母からの言葉が、自分の性格を形成した大きな贈りものです」。
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