今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「関東地方で年収が高い会社ランキング」を作成した。なお、このランキングでは、東京都を除く関東地方(神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)に本社を置く上場企業を対象とした。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が50人未満の企業は除外している。対象期間は、2019年6月期~20年5月期。 【ランキング11~200位はこちら!】 早速、ランキングを確認していこう。 ● 1位はレーザーテック 1000万円超えは2社 1位となったのは、レーザーテック。平均年収は1137.6万円だった。レーザーテックは、神奈川県横浜市に本社を持つ、半導体製造装置などを手掛けるメーカーだ。昨年の関東地方で年収が高い会社ランキングに引き続き、今回も1位となった。コロナ禍が重なった2020年6月期も業績は好調で、営業利益は対前期増減率89.7%増の150億円だった(連結業績)。 2位はマクニカ・富士エレホールディングス(HD)で、1020.7万円。同社の平均年収を前期と比較すると、約10.5%上がっていた。この背景について同社のIR担当者は、「19年度から執行役員制度を導入したことによる」と説明する。子会社のマクニカに在籍していた複数の社員が、マクニカ・富士エレHDの執行役員に就任したことが平均年収を引き上げた要因とみられる。 979.3万円で3位となったのは、東京大学発のバイオベンチャー企業、ペプチドリームだ※。19年6月期の有価証券報告書によれば、従業員数は104人で、前期から25.3%増となっている。このうち研究開発部門が89人と、8割以上を占める。 ※19年6月期ベース。同社はその後、決算期を12月期に変更。19年12月期の数字も公表したが、変則決算になるので、本稿では19年6月期の数字を採用した。
トップ10にランクインした企業の中で最も単体従業員数が多かったのは、千代田化工建設(8位:847.8万円)で1591人だった。同社は、19年3月期には液化天然ガス(LNG)事業で多額の損失を計上した影響などで2149億円の最終赤字(連結業績)となり、債務超過に陥った。その後、三菱商事や三菱UFJ銀行から投融資の支援を受け、債務超過を解消。20年3月期の最終損益は121億円の黒字だった。 なお、6位の日揮HD(864.9万円)では、従業員数(単体)が前期である19年3月期に比べて2040人減少し、236人となっていた。これは19年10月1日付での吸収分割により、一部の事業が子会社に承継されたことによる。 ● トップ5は 神奈川県の企業が独占 また、トップ10にランクインした10社の本社所在地を見ると、10社中8社が神奈川県だった。年収900万円超えのトップ5は全て神奈川県に本社を置く企業が独占した。 神奈川県以外でランクインしたのは、小売業界大手のイオン(千葉県、7位864.5万円)と、ペンタブレットの製造・販売などを手掛けるワコム(埼玉県、10位837.8万円)の2社だった。 なお、今回、年収が700万円を超えた企業は50社だった。 ランキング完全版では、11位以下の計200社を掲載しているほか、平均年収が700万円を超えた50社の業種別の傾向について分析している。ぜひチェックしてみてほしい。 (ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ダイヤモンド編集部/笠原里穂
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