優れた手仕事を後世へと受け継ぐ。それはファッションデザイナーに課せられた使命のひとつだ。ランウェイを主戦場とするドリス・ヴァン・ノッテンが手がけた、アートピースと見まがう刺繍が施されたジャケット。この美しさこそ、まさにインドの手仕事に魅了され、30年以上にわたり継続するパトロネージュの結実と言えるのではないだろうか。
PHOTOGRAPH BY YUKI KUMAGAI
TEXT BY JUNYA HASEGAWA @america
STYLING BY TAICHI SUMURA
HAIR & MAKE BY KATSUYOSHI KOJIMA @TRON
ドリス・ヴァン・ノッテンといえば、ベルギーはアントワープで曽祖父の代から続くテーラーの家系に生まれ、敬虔なカトリック教徒として厳しい教育を受けながらも12歳のころから家業であるブティック関連の仕事に没頭。アントワープ王立芸術アカデミーに入学する前から“バイヤー”や“ファッションデザイナー”として活動していたという、正真正銘のサラブレッドだ。
そんな出自もあって、糸からこだわってつくり上げた美しい生地への偏愛を隠さない、独創的で一過性のトレンドとは一線を画した創作を行なうデザイナーとして知られている。
そんな彼のシグネチャーともいえるこの芸術的なデニムジャケットは、咲き乱れるフラワーモチーフのプリントの上からさらに、インドの職人が手刺繍によるスパンコール装飾を施し立体的に仕上げたもの。ジェンダーを超越するインパクトをもった色や柄、装飾性などを通して、世の男性たちに着飾る喜びを提案する、今季のテーマを象徴する傑作だ。
そして、この素晴らしい身にまとうアートピースは、ブランドがスタートした1986年以来途絶えることなく取引を続けている、インド・コルカタ拠点の2つの刺繍工場で製作されているという。
「色の鮮やかさ、喜びと悲しみ、醜さと美しさ……インドには深い感銘を受けました」と語るドリス・ヴァン・ノッテンは、インドの刺繍を通して手仕事の素晴らしさを広く知らしめるため、本格的なインド生産に取り組んだ最初のデザイナーのひとりだ。
当時パッチワークのクッションやロシア市場向けのウェディングドレスを手がけていた職人たちに、コレクション製作を発注しながら自身のテイストやニュアンスを徹底すべくエデュケーション。取引を長期にわたって継続することで職人たちとその周囲にいる何千人もの人々の生活を支え、その技術を後世へとつないでいくために、デビュー以来すべてのシーズンでなんらかの刺繍を取り入れてたアイテムを展開し続けている。そしてその姿勢は、これからも決して変わることはないだろう。
※シリーズ「WIRED METHOD」のバックナンバーはこちら。
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