連載の第2回ではパーセプションを形成する5つの要素を紹介した。パーセプションはこれらの要素によって出来上がる。今回はプロクター・アンド・ギャンブル(P&>)がインドで実施した、洗剤「アリエール」の成功事例を基に、「ブランド」と「パーセプション」の関係について整理する。
ブランドとパーセプション、この2つの概念の関係性について、マーケターや広報担当者であれば理解しておく必要がある。実際、世界の広告・PR業界でも、「ブランドとパーセプション、どちらが先か」といった議論は、これまで盛んに行われてきた。今回はその話をしよう。
まずは下図を見て欲しい。この図は、ブランドとパーセプションという概念の違いと、その相関をシンプルに示している。
ブランドの由来は家畜を識別するために押した「焼印(brand)」であることはよく知られている。マーケティング業界の権威であるフィリップ・コトラー教授は、語源を基に競合との差異化という観点を加えて定義している。
「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」
ブランド論を展開しだすとキリがないが、ブランドという概念の大きなポイントは「区別・識別」と言えよう。
企業主体と消費者主体に違い
そして、より重要なポイントは「主体が企業側である」ということだ。ブランドを認識するのは世の中や消費者側だが、何らかの事業目的に沿って、ブランドを確立したいのは、当事者である企業なのだ。ほぼ例外なく、ブランドの成功と企業の理念は密接な関係にある。ブランドの本質は、つまるところ「あなた(企業)が大事だと思うこと」なのだ。
これに対して、パーセプションはその対極にある。あなたがどう思われたいかがブランドだとすれば、パーセプションとは「世の中や消費者があなたをどう見るか」である。そこにはギャップが生じやすい。「こうだと信じてやっているのに、どうして皆は分かってくれないのか」。新社会人の愚痴のようにも聞こえるが、それこそがブランドとパーセプションが引き起こすジレンマであり、多くの企業や組織におけるマーケティング課題だ。
さらに言えば、ブランドとパーセプションは起点こそ違えど、相互に大きく影響を与える。ブランド戦略がパーセプションに変化を及ぼすことがあれば、パーセプションの影響でブランド価値が高まったり、毀損されたりする。とりわけSNSの普及後は消費者の声が大きくなり、パーセプションがブランドに影響を及ぼす傾向がより顕著になっていると言えるだろう。
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