日中両国は習近平国家主席の訪日延期で合意した。双方とも新型肺炎対策に取り組むことが最優先であり、やむをえない選択だ。成果のあがる訪日となるよう、じっくり準備し仕切り直してほしい。
大阪での昨年六月の日中首脳会談で、習氏が四月にも国賓として初訪日することで合意していた。
だが、新型コロナウイルス感染の発生源となった中国が全力で対策に取り組むべきなのはむろん、日本も小中高校などの全国一斉休校に踏み切るなど厳しい対応を迫られている。
国賓来日の一カ月前までに天皇陛下との会見日程を確定させる慣行もあり、この時期の延期判断になったとみられる。
中国の国家主席では、江沢民氏が一九九八年、胡錦濤氏が二〇〇八年に国賓として訪日している。
今回は、中国主席として十二年ぶりの国賓訪日で、関係改善の基調を本物にする機会として期待されていた。東京五輪後の今秋以降で再調整されるとみられる。
習氏訪日について、安倍晋三首相は延期決定前から記者会見で「十分な成果をあげる必要がある」と強調してきた。
その考えに異論はないが、成果の中身は、日中間の「政治文書」を作成するという形ばかりにこだわるべきではない。
江氏訪日の際、日中は友好協力をうたった「日中共同宣言」、胡氏訪日では戦略的互恵関係を推進する「日中共同声明」を出した。
習氏訪日で、関係改善を象徴する文書ができるにこしたことはない。だが、より重要なのは、今後さまざまな摩擦が生じても、対話を通じて解決できるような首脳同士の信頼関係を築くことである。
国境を超えた対策が肝要な新型肺炎対策で、日中間では相互支援の動きが加速してきた。
初動対応に苦しんだ中国を日本は官民挙げて支援した。逆に、日本で感染が拡大した二月末に来日した楊潔〓共産党政治局員は、日本政府に防護服五千着とマスク十万枚を提供すると表明した。
仕切り直す習氏訪日は、醸成されてきた協力や支援の動きを、逆流しない力強い流れとする政治的な節目としてほしい。
中国公船による尖閣周辺海域への侵犯や、香港や少数民族自治区での抑圧など、中国の強権的なふるまいには依然問題が多い。
日中が懸案からも目をそらさず、信頼を基礎に率直に直言しあえる一歩にすることが、まさに真の「成果」と言えよう。
※〓は、竹かんむりに、厂(がんだれ)、下に虎
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March 06, 2020 at 06:06AM
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習氏の訪日延期 焦らず信頼関係醸成を:社説・コラム(TOKYO Web) - 東京新聞
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