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Tuesday, June 15, 2021

太陽と関係?の巨石群 伊予のストーンヘンジ、観光地に - 朝日新聞デジタル

 【愛媛】松山市の松山観光港から北へ約2キロ。瀬戸内海に突き出た岬に、「白石の鼻巨石群」という奇景が広がる。この巨石群は太陽と関係があるのではないか。一人の会社員の発想からロマンが広がり、地域活性化のため「伊予のストーンヘンジ」としてPRしていくことになった。

 白石の鼻(高浜町6丁目)は、岬に鎮座する白石龍神社周辺に広がる花崗岩(かこうがん)の巨石群。最も大きな「三ツ石」は五つの巨石が絶妙のバランスで積み上がり、海面から突き出すように高さ約6メートルの威容を見せている。地元では昔から自然に積み上がったものと伝えられてきた。

 2008年、松山市の会社員、篠沢邦彦さん(57)は仕事のため、付近の海岸を車で走っていた。そこにこの巨石群が目に入った。子どものころからエジプトやマヤなどの古代文明が大好きだった篠沢さん。石組みの複雑さから「人工的につくられたものでは」と直感したという。

 「人工物ならば太陽の軌道と関係があるはず」。春分の日に再訪し、神社近くの岩場から海上の三ツ石を見ていると、組み合わさった石の隙間を太陽が通過。きれいな夕日の帯が海上を照らした。

 篠沢さんは地元の公民館などに電話してみたが、地域の人たちは巨石群と太陽の関連を考えたことはなかったという。秋分の日近くに観賞会を開くと、やはり巨石の空洞と太陽の軌道が重なった。参加者から「すごい」「初めて知った」と驚きの声が上がった。

 篠沢さんは09年、興味を持った人たちと「調査委員会」を結成し、研究を続行。約10年に及ぶ研究の成果を論文にまとめ、研究者団体「日本天文考古学会」で発表した。

 調査研究によると、「三ツ石以外にも太陽と関係がある石がある」という。春分と秋分の日、三ツ石の空洞を通過した夕日の帯の延長線上には、オレンジ色の線が入った巨石があたかも「太陽の観測ポイント」のように存在することが分かった。また、夏至の日に龍神社から観察すると、海に沈む夕日の帯が、三ツ石とは別の三つの岩の間を走るという。篠沢さんは「どのように造ったかは不明だが、海面が低かった5千年くらい前に造られたのでは」と考えている。

 篠沢さんらはこの春、NPO「松山・白石の鼻巨石群振興会」(仲矢文和代表)を設立した。太陽信仰の場や天文台などの説がある英国の巨石遺跡「ストーンヘンジ」にならい、白石の鼻巨石群を「伊予のストーンヘンジ」としてPRしていこうという狙いだ。研究中心だった調査委員会の活動を拡大し、考古学に興味がない人も参加できるイベントをもっと催していきたいという。「松山城道後温泉並みの観光スポットにしたい」

 振興会は、夏至(21日)にあわせて白石龍神社で夕日の観賞会を開く。19日午後6時20分からで、雨天中止。詳しくはホームページ(http://haku1414.com/別ウインドウで開きます)。(天野光一)

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