早期発見が難しいといわれる「卵巣がん」。確実な予防法も検診法もありませんが、リスク要因など注意すべき点をJCHO相模野病院で婦人科腫瘍センター顧問を務める上坊敏子先生に伺いました。 お話を伺ったのは… 上坊敏子先生(JCHO相模野病院 婦人科腫瘍センター顧問)●1973年名古屋大学医学部卒業。北里大学病院教授、社会保険相模野病院婦人科腫瘍センター長を経て現職。婦人科腫瘍専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。著書に『新版 知っておきたい子宮の病気』(新星出版社)、『卵巣の病気』(講談社)ほか多数。 取材・文=増田美加(女性医療ジャーナリスト) 『婦人画報』2021年11月号より
閉経後の卵巣腫瘍はリスクのひとつ。定期的な診察を
早期発見が難しいといわれる卵巣がん。 「卵巣がんには、確実な予防法も検診法もありません。診断も難しくて、卵巣を摘出して初めてがんと診断されることもあります。有効性は不明ですが、閉経後も年1回は婦人科を受診して、経腟超音波検査と血液検査で腫瘍マーカーCA125を調べることが役立つかもしれません。特に、血縁に卵巣がんや乳がんの方がいたり、乳がん既往のある人は、卵巣がんのリスクが高いことを自覚して定期的な検診を受けましょう。 けれども卵巣がんの診断精度は高くありませんし、進行が早いがんです。検診で異常なしといわれても、腹部膨満感、頻尿など、気になる症状があれば受診してください。また更年期以降、特に閉経後の卵巣腫瘍は危険なものが多いので、注意が必要です」
更年期以降増えますが、自覚症状がほとんどないのが特徴です
卵巣がんが怖いのは自覚症状がなく、進行が早くサイレントキラーと呼ばれているところ。初期は無症状ですが、腫瘍が大きくなると腹部膨満感、頻尿、腹囲が大きくなる、不正出血、下腹部や腰の痛みなどの症状が起こることがあります。 「閉経後の卵巣腫瘍は約半数近くが悪性というデータがあります。40歳以上で大きくなっていくチョコレート嚢胞を持っている人、50歳以上や閉経後の卵巣腫瘍がある人は、摘出について主治医の指示に従うことをおすすめしたいです。もしも子宮筋腫などの手術をする機会があれば、子宮と一緒に卵管を摘出しておくと卵巣がんの予防につながります。卵管にできたがんが卵巣に転移して卵巣がんにつながるという最近のデータがあるからです」と上坊先生。 【卵巣がんのおもなリスク要因】 ・ 初経年齢が早い ・ 閉経年齢が遅い ・ 妊娠・出産歴がない、少ない ・ 子宮体がん・乳がんの既往 ・ 遺伝(卵巣がんの10%は遺伝性) ・卵巣子宮内膜症(チョコレート嚢胞)のがん化
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