良コスパの「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」、小型PC向けの「ROG STRIX B550-I GAMING」をピックアップ
8月から国内におけるボックス販売が解禁された、AMDのデスクトップPC向けAPU(GPU統合型CPU)「Ryzen 5000 G」シリーズ。内蔵GPUを搭載しているため、グラフィックスカードを搭載しないスタンダードPC、コンパクトなPCケースを採用する小型PCといった分野では人気が高い。グラフィックスカードの価格が高騰気味な昨今の状況では、APUに注目しているという人も多いだろう。
マザーボードはすでにリリース済みの製品が活用できるため、選択肢は多いと言えるが、多くの場合に有力な候補になりえるのは各社のAMD B550チップセット搭載マザーボードだ。X570マザーに比べて価格が抑えめであり、トレンドのPCI Express 4.0には対応しないものの、APUを採用するスタンダードなPCではあまり問題にならない。APUでコストパフォーマンスに優れたPCを組みたい、というユーザーには特に魅力的だ。
この記事では、ASUSのB550チップセット搭載マザーボードから「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」および「ROG STRIX B550-I GAMING」をピックアップし、それぞれの外観や特徴を解説する。
1万円台後半の価格でWi-Fi 6対応、「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」
「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」は、高耐久部材を採用したASUSのゲーマー向けシリーズ「TUF GAMING」のB550マザーボード。実売1万8400円前後とコストパフォーマンスが良好なことに加え、Wi-Fi 6による無線通信にも対応しており、幅広い自作PCで採用しやすいバランスの良さが魅力の製品だ。
フォームファクターはMicroATXで、装着できるPCケースは多い。CPUソケットはAM4対応で、Ryzen 5000 Gシリーズはもちろん、第3世代Ryzenも装着できる。VRM部にはドライバーとMOSFETを統合したDr.MOSを使用しており、フェーズ数は8+2フェーズの合計10フェーズと、このクラスではオーソドックスな仕様。CPU補助電源コネクタ「ProCool Connector」も一般的な8ピン対応だ。
なお、現在出荷されている製品のBIOSは基本的にRyzen 5000 Gシリーズのブートに対応しているとのことなので、今から購入する場合はあえて最新のバージョンに更新する必要はない。リリース初期に購入したマザーボードのCPUのみを更新するような場合は、公式サイトの製品ページから更新ファイルをダウンロードし、「ASUS EZ Flash 3」などの機能を使って更新を行うといいだろう。
メモリースロットは4本で、対応メモリーは最大128GB(DDR4-4600×4)まで。ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート4つのほか、2つのM.2スロットを備えるなど、Ryzen 5000 Gを活用するのであれば十分すぎる拡張性だ。M.2スロットに関して言えば、PCI Express 4.0に対応するのは最上段のスロットのみだが、先に述べた通りRyzen 5000 G自体がPCI Express 4.0に対応していないため、その点は問題にならないだろう。最下段のM.2スロットには付属のヒートシンクが装着可能なため、こちらを活用するのがベターだ。
拡張スロットはPCI Express 4.0x16スロット×1、PCI Express 3.0x16スロット(x4動作)×1、PCIe 3.0x1スロット×1。通常の第3世代Ryzenと異なり、Ryzen Gシリーズでは必ずグラフィックスカードを利用する必要はないわけだが、装着自体は可能だ。先にRyzen GシリーズでPCを組んでおき、あとからグラフィックスカードを追加する、といった柔軟な対応が可能な点は、Ryzen Gを使った自作の1つのメリットと言える。
背面インターフェースは、USB 3.2 Gen 1ポート×4、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート×1、USB 3.2 Gen2 Type-Cポート×1、USB 2.0ポート×2、PS/2ポート×1、DisplayPort×1、HDMIポート×1、オーディオジャック×5、有線LANコネクタ、無線LANのアンテナ接続用端子を用意。2.5ギガビットLANにはRealtekの「RTL8125B」、Wi-Fi 6はIntel「AX200」をそれぞれ採用しており、このクラスの製品としては取り回しの良さが光る。特に、1万円台後半で無線LAN通信に対応するマザーボードは多くないため、無線LAN通信を優先して使用したいのであれば本製品は有力な選択肢になるだろう。
小型かつ多機能な「ROG STRIX B550-I GAMING」
「ROG STRIX B550-I GAMING」は、ASUSのゲーミングブランド「ROG STRIX」からリリースされているMini-ITXマザーボード。サイズ自体はコンパクトながら高機能に調整されており、小型かつパワフルなPCを組みたいといったニーズによくマッチする。そのぶん、実売2万4500円前後と価格は「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」よりも若干高価だ。
CPUソケットはAM4対応。ボードサイズはmicroATXフォームファクターよりさらに小さいMini-ITXだが、電源回路はDr.MOS採用、フェーズ数は8+2フェーズの合計10フェーズで、「TUF GAMING B550M-PLUS (WI-FI)」に並ぶ。コンパクトなぶん冷却にも配慮がなされており、大型のVRMヒートシンクには内蔵ファンを搭載するなど、安定動作に期待ができる。もともとは第3世代RyzenのハイエンドCPUの搭載も想定しているため、Ryzen Gシリーズはまったく問題なく運用可能だ。
一方、メモリースロットは2本で、対応メモリーは最大64GB(DDR4-5000×2)まで。ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート4に加え、M.2スロットは1本と、さすがにmicroATXのマザーボードより拡張性はシンプルで、拡張スロットもPCI Express 4.0x16スロット×1のみだ。とはいえ、デュアルチャネルのメモリ-2枚とM.2 SSD1枚といったスタンダードなPCを組む場合は、これでも十分すぎるほどだろう。
背面インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート×3、USB 3.2 Gen2 Type-Cポート×1、USB 2.0ポート×1、DisplayPort×1、HDMIポート×1、オーディオジャック×3、2.5ギガビット有線LANコネクタ、無線LANのアンテナ接続用端子。USBポートはそれほど多くないが、2.5ギガビットLANにはIntelの「I225-V」、Wi-Fi 6はIntel「AX200」をそれぞれ採用し、有線・無線のネットワーク通信のどちらにも対応可能だ。ちなみに本製品は、オーディオジャックの直下にオーディオ機器用のUSB 2.0 Type-Cを搭載しており、Type-C形状のオーディオヘッドセットを利用できる。
総じて、Mini-ITXフォームファクターの製品でありながら性能・機能面ともに高水準な設計であり、ボードサイズによる制限を感じにくいポテンシャルの高さが特徴と言える。もともとハイエンド志向のCPUではないRyzen Gとは好相性であり、小型ケースを組み合わせた自作ではド安定の活躍を見せてくれるだろう。
からの記事と詳細 ( Ryzen 5000 Gシリーズと組み合わせたい、ASUSのB550マザー2選 - ASCII.jp )
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