中国の生産者物価は７月に再び高い伸びを示した。６月は上昇率が鈍化していたが、長続きしなかった。商品価格が政府の抑制措置にもかかわらず、高止まりしている。
国家統計局が９日発表した７月の生産者物価指数（ＰＰＩ）は前年同月比９％上昇。ブルームバーグのエコノミスト予想中央値と６月はいずれも8.8％上昇だった。
一方、７月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は前年同月比１％上昇。２カ月連続の鈍化となったが、エコノミスト予想（0.8％上昇）よりも高い伸びとなった。
新型コロナウイルス感染の再拡大で消費や旅行には制約がかかっており、中国経済の成長率は勢いを失いつつある。ロックダウン（都市封鎖）がより大規模に実施され、供給や物流が妨げられた場合、一時的にはインフレ圧力が強まることになる。だが、その深刻度合いは、中国政府がコロナ感染拡大をどれほど迅速に制御できるかにかかっている。
コメルツ銀行の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏（シンガポール在勤）は「生産者物価上昇率は恐らく年末までに６％程度となるだろう。このため、金融緩和余地はある程度制限されることになる」と分析。「利下げの可能性は極めて小さい」と述べた。
中国の国債相場は今回の物価統計を受けて下落幅を拡大。10年物国債利回りは４ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上昇の2.85％と１月以来の大きな上げとなっている。
原題： China’s Factory Inflation Surges Again on Commodity Prices (2)（抜粋）
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