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Tuesday, August 10, 2021

高い致死率のマダニ感染症、農作業や登山は要注意…ペットの犬も感染 - 読売新聞

 マダニにかまれて発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染が相次いでいる。7月には鳥取市内の女性が入院するなど、鳥取県内初の感染例が報告された昨年6月以降、3件発生。今年5月にはペットとして飼われている犬への感染も確認された。SFTSは致死率が6~30%と高く、夏休みにレジャーで野山に入ることも多くなることから、保健所などが注意を呼びかけている。(妻鹿国和)

 鳥取市保健所によると、市内の80歳代の女性は全身にけいれんを起こして6月30日に医療機関を受診。発熱のほか、意識と肝機能にも障害があり、7月1日に入院した。その後の検査で血小板と白血球の減少が判明し、県衛生環境研究所に検体を送ったところSFTSと確定した。

 国立感染症研究所(東京)によると、SFTSは2011年に中国で初めて確認された。国内では13年1月に山口県で初の感染が報告されて以降、今年4月28日現在で596人が感染し、うち76人が死亡。死者を年代別でみると、80歳代(34人)、70歳代(22人)、60歳代(11人)の順で多くなっている。

 SFTSは、田畑での農作業中や野山での山仕事、登山の際にウイルスを保有しているマダニにかまれることで感染するケースが多い。鳥取市内の女性も発症前に毎日のように畑で作業していた。昨年6月8日に県内初の感染者となった西伯郡在住の60歳代男性と、同8月に感染が確認された鳥取市内の70歳代男性も発症前に山中にいたことがわかっている。また、犬や猫に感染するケースも報告されており、米子市では今年5月、ペットの犬への感染が県内で初めて確認された。

 山や畑などに生息しているマダニは、3~11月に活動を活性化させる。近年、SFTSの感染例が増えているのは、狩猟者の減少などからマダニを媒介するシカやイノシシなどが増えていることなども指摘されている。

 夏休みはレジャーで山に立ち入る機会は増え、特にコロナ禍では「密が避けられる」とキャンプの人気が高まっている。県健康政策課は「山に入る時には長袖、長ズボン、手袋をつけ、マダニが嫌がる忌避剤を噴霧するなど、かまれないようにする対策を十分に取ってほしい」としている。

  ◆SFTS =ウイルスを持ったマダニにかまれることで感染する。6日~2週間程度の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状が現れ、意識障害やけいれん、血が固まりにくくなるなどの症状が出る。有効な治療薬やワクチンはなく、吸血中のマダニを無理やり取り除こうとしても一部が皮膚の中に残り化膿(かのう)することもあるので、引き抜いたり、つぶしたりしないで、かまれたら速やかに医療機関を受診したほうがよい。

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