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- 「Obesity」誌に発表されたレビューによると、ほとんどの減量法は、その効果を裏付ける証拠がほとんどないという。
- 研究の多くは製品を販売する企業が資金提供していることが判明した。
- このレビューでは、有効性(時には安全性)が疑わしい8つの減量方法が見つかった。
2021年6月23日付の学術誌「Obesity(肥満)」に発表されたレビューによると、大多数の減量サプリメントや治療には、その有効性を裏づける証拠がほとんどないという。
レビューでは、アメリカのダートマス大学やウィスコンシン医科大学などの複数の研究機関の研究者が、14種類の減量サプリメント類を対象として315件の無作為化比較試験を行い、エビデンスの質と、それぞれの方法が減量に有効かどうかを評価した。
その結果、大多数の研究が、サンプル数が少ないこと、データが不完全であること、選択的な報告がなされていること、盲検性が欠如していることなど、重大な問題があることが分かった。
今回「効果があるかもしれない」という中程度の評価を得たのは6つの製品だけだった。その他の8つは、効果が疑わしいか、業界の資金提供を受けた研究に裏付けられたものか、またはその両方と評価された。
以下は、今回のレビューで効果がないとされた8つの治療法で、それらの効用と安全性についての最新のエビデンスを記した。
鍼治療:細い針を体に刺して神経や筋肉を刺激する中国伝統医学のひとつ。慢性的な痛みから精神的なものまで、あらゆる治療に用いられている。 減量については、食欲のコントロールやインスリンの調節を改善するという研究報告がある。しかし、今回のレビューによると、ほとんどのエビデンスは質が低く、プラセボと比較して、体重の変化があったとしてもわずかであることが示された。
カルシウム/ビタミンD:どちらも健康全般に欠かせない栄養素で、人気の高いサプリメントだが、人によっては有益な場合もあるが、特に長期的に見て減量に役立つという質の高いエビデンスは存在しない。
チョコレート/ココア:これらの菓子がダイエットに役立つとは考えられないことが明らかになった。サプリメントとしてのチョコレートに関する研究は、業界の利害関係者から資金提供を受けていたか、資金提供の有無が公表されていなかった。有効と認められた研究は1件のみで、チョコレートの原料のカカオに含まれる「フラバノール」という植物性の栄養素に関するものだった。
グアーガム:グアー豆から抽出した食品加工用の増粘剤で、ダイエット中に腸を満たすことで満腹感を得られると主張している。しかしこれには効果がないという調査結果が出ている。研究者たちは、食事療法との併用で短期的な体重減少を示した研究を1件だけ見つけたが、その研究の著者は資金源を明らかにしていない。
マインド・ボディ:このカテゴリーには、減量のための瞑想、催眠、マインドフルネスなどの治療法が含まれている。ほとんどが女性を対象とした研究で、資金提供については開示されていなかった。バイアスのリスクが低いと判断されたのは2つの研究だけで、どちらもプラセボと比較した体重の増減を報告していない。
インゲン豆:白インゲン豆の抽出物は、炭水化物の吸収を抑えて減量を助けると報告されている。いくつかの研究では、短期的に体重減少がわずかに促進されたと報告されているが、短期的な研究であり、エビデンスの質は低いと考えられる。
フェニルプロピルアミン:これはアンフェタミンやエフェドリンに似た化学物質で、体重減少や食欲抑制につながるが、重大な副作用もある。主に80年代と90年代に流行したが、出血性脳卒中のリスクを高めることが判明し、2000年にFDAが警告を発した。その他の潜在的な副作用としては、不安、不眠、高血圧、胸部圧迫感などがある。
ピルビン酸:私たちがエネルギー源として糖分を分解する際に体内で自然に生成される化学物質の副産物。サプリメントとして摂取すると代謝を促進し、脂肪燃焼がより早くなるとされている。いくつかの研究で、食事や運動との組み合わせで減量を促進する可能性があるとされているが、他の研究では効果が見られず、その主張を裏付ける質の高い証拠が欠けているとされている。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)
からの記事と詳細 ( 人気の高い8つの減量法は、科学的根拠なし…時には危険なこともある - Business Insider Japan )
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