4都府県対象の緊急事態宣言発令後最初の平日の26日、多くの企業が在宅勤務の徹底や出張の停止など働き方に関する新たな対応を始めた。ただ、都心の出勤風景は宣言前とあまり変化が見られなかった。菅義偉首相は「出勤者7割減」を企業に要請しているが、すでに大企業では在宅勤務はある程度浸透している。目標達成のためには中小企業による出勤者削減が不可欠だが「限界」を訴える声も上がっており、実現へのハードルは高い。
「2020年の1回目の緊急事態宣言では目標数値は示さなかった。だが今回は、出勤者数の7割削減を全社員に通達した」。三菱商事の広報担当者は、在宅勤務やテレワーク強化をこう説明する。ただ、部署ごとに状況にばらつきがあり、21年3月期の決算発表を5月7日に控え、関連部署では出社を余儀なくされる社員もいるという。
宣言対象地域への出張についても、パナソニックが「自粛」から「原則禁止」に対応を厳格化。京セラや清水建設なども禁止とした。
だが、都内のあるIT企業社員は「テレワークなど既にできることはやっている。宣言が出たところでこれまでと対応は変わらない」と冷ややかに話した。
設備や体制が充実している大手企業に比べ、中小企業では対応も難しい。東京商工リサーチの調査では、テレワークの実施割合は3割程度で、コロナ禍後にテレワークを制度化した割合も大企業の約4割に対して約2割にとどまる。
東京都墨田区にある町工場も在宅勤務などのテレワークを推奨しているが、26日はほとんどの社員が出勤したという。この工場の社長は、「テレワークの必要性は理解できる」としながらも、「受注から納品まで2日しかないことも多い。限られた時間の中で生産現場や調達担当者と調整するには、図面を囲んで顔を突き合わせた方が早く済む」と打ち明ける。
緊急事態宣言の発令が繰り返されるごとに厳しさを増す経済環境を受け、大手と中小における在宅勤務対応の二極化が進んでいる。
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