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Saturday, January 9, 2021

「コロナで重症化のリスク高い」と公演中止 蜷川幸雄さん創設の高齢者劇団「ゴールド・シアター」 - 東京新聞

「ゴールドシアター」劇団を指導した演出家の蜷川幸雄さん(2006年)

「ゴールドシアター」劇団を指導した演出家の蜷川幸雄さん(2006年)

  • 「ゴールドシアター」劇団を指導した演出家の蜷川幸雄さん(2006年)

 彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)を運営する県芸術文化振興財団は八日、二月十一日から予定していた高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」の公演「聖地2030」を中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた措置。出演者の感染は確認されていないが、「高齢者俳優の健康を最優先に考えた」としている。

 ゴールド・シアターは、劇場の芸術監督を務めた演出家の故蜷川幸雄さんが二〇〇六年に創設。一六年の蜷川さんの死後も活動を続けているが、本公演は三年半ぶり。現在の所属俳優三十五人は七十〜九十五歳で、平均は八十一歳。「聖地−」にはこのうち二十人ほどが出演予定だった。

 四日から本稽古を始める予定だったが、財団は昨年末に県と協議し、「罹患(りかん)した場合に重症化のリスクが高い」として中止を決定した。出演予定者からは「残念だ」「この状況では仕方ない」などの声が上がったという。

 「聖地−」は高齢者施設を舞台にした群像劇。一〇年に初演し、蜷川さんが演出した。今回は作者の松井周さんがコロナ禍の状況を盛り込み自らリニューアルし、演出もする予定だった。松井さんは「全く新しい作品を上演したいと準備を進めてきたが、難しいという判断に至った。今は撤退するとして、どこかで『また湧いてきやがったか!』という形で始まるのが演劇なので、諦めずに次の機会をうかがうつもりです」とのコメントを発表した。 (前田朋子)

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