とにかく人様に迷惑をかけたくない――。 「おひとりさま」はよくこう言います。迷惑をかけないためにひとりで死んでいくのだと。日本人の美徳なのかもしれません。でも、実はそれが一番迷惑だったりするんです。 〈2015年の国勢調査によると単独世帯は34・6%で、10年の32・4%と比べて、おひとりさまは増加傾向にある。その上、少子高齢化に歯止めがかかる兆しはなく、40年には約4割がおひとりさまになるとのデータもある。配偶者の有無に拘(かかわ)らず、日本は誰もが「おひとりさま予備軍」といえる状態だ。 そうしたなか、廣川奈美さん(44)は18年、「日本初のおひとりさまメディア」を謳(うた)うフリーペーパー「ひとりとひとり」を創刊し、編集長を務める。同誌では、ひとり旅やひとり飯といった「ソロ活」情報をはじめ、おひとりさまのさまざまな「生き方」の情報を発信している。廣川さん自身、カップルで賑わうクリスマスに「ひとりディズニーランド」を実践してきた。ソロ活、そしておひとりさま生活のアドバイスをする“プロ”である。 そんな彼女の「おひとりさま論」に耳を傾けてみる。〉 おひとりさまは「最強」にして「最弱」です。コロナ禍でそのことはよりはっきりしたと思います。 おひとりさまであれば、食事もひとりですることが多いでしょうし、家庭内感染することもありませんから、その意味では「最強」です。 一方、自宅療養となっても助けてくれる人がいなければ食事もままならず、孤立無援となってしまう危険があり「最弱」です。
広く浅い人間関係
誰にも迷惑をかけないで死ぬんだと意気込んでみたところで、周りとの縁を絶ってしまうと、例えば倒れて病院に運ばれて親戚が駆け付けても、本人の意思が確認できないから面会できない。あるいは亡くなった後に通帳の場所が分からず財産処理に手こずったり、結果的に周囲に迷惑をかけることが多い。本人は誰にも負担をかけたくないと遠慮しているつもりかもしれませんが、その遠慮が迷惑になることがあるんです。 おひとりさまは気楽ではあるものの、完全に孤立しては誰も生きられません。そして人間は、人間のことが好きだけれど、一番怖いのも人間関係だったりします。どっぷり浸(つ)かる人間関係は煩(わずら)わしい。だからこそ依存し合わないで付き合える友人、寂しい時に気軽に会える知人、そういった「広く浅い」人間関係を築くことが、おひとりさまにとって重要になってくると思います。そこで私が提唱しているのは、孤立無援ではなく「個立有縁」です。それは「個立有援」でもあります。
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