原付(50cc)免許取得者数を都道府県の人口あたりで割り出したところ、特に山梨県の取得率が高いことがわかった。
日本自動車工業会の調べによると、下表の通り’19年までの5年間で山梨は3回トップを獲得。’15年の1万人あたり50.2人は、5年間でもっとも値が高かった。山梨のほか、和歌山/鹿児島/熊本で取得率が高いが、各県に共通しているのは、免許の取りやすさ。運転免許試験場以外に、警察署でも原付の試験が受けられ、最寄りの自動車教習所でも原付講習が受講できる。
全国で見ると、警察署で原付免許試験を実施しているのは20府県。27府県で原付講習を教習所などで実施している。
生産年齢人口(15〜64歳)1万人当たりの原付免許取得者数を「原付免許取得率」として計算。山梨県は、過去5年で3回トップに立っている。運転免許試験場に加え警察署でも受験でき、高校生の原付通学が盛んなことなどが、取得率を押し上げていると言える。
山梨県の場合、原付免許の試験は免許センターと県警察本部の2か所に加え、県内12の警察署でも実施。原付講習は県内16の自動車教習所で行なっている。
山梨県警察本部によると、「本県では公共交通機関が少ないため、原付も県民の欠かせない足。原付免許の取得は、ほとんどが高校生によるものなので、通学のためにどうしても原付が必要という本県地域の実情があるのだと思います」と分析する。
また、山梨県にはいわゆる三ない運動がなく、高校生(全日制)=1万6290人のうち約12%が原付免許を取得。約10%が原付通学を認められている。
近頃、原付の保有台数が減少しているが、山梨県などのように免許が取得しやすい環境があれば、状況は変わりそうだと言える。
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