トップリーグ(TL)最後の王者になったのは、堅守速攻を強みとするパナソニックだった。主将のフッカー坂手は「規律の高さを存分に出せた」。わずかなミスが勝敗を分ける決戦の舞台で、持ち味を発揮した。
象徴的だったのが9点差に迫られた後半33分。敵陣での密集でフランカー福井が球出しを阻止し、反則を誘う。このPGをSO山沢が決めてリードを広げた。フッカー堀江は「詳細は言えないが、他チームとは違うシステムでやっている」という自慢の守りで、終盤のピンチをしのいだ。
◆大一番でも実力揺るがず
世界的選手のSOバレットも徹底マーク。得意なキックをいい形で蹴らせず、ランも次々にタックルを浴びせて封じた。反則の少なさも勝敗を分けた。PGでの失点はなく、4PGで16点を失ったサントリーとは対照的。第1ステージで失点、反則ともにリーグ最少の実力は大一番でも揺るがなかった。
◆知恵絞りチームを成熟
今季はコロナ禍で日本代表の活動がなく、例年なら多くの選手が抜ける時期に戦術を落とし込むことができた。「これだけチームにいたのは初めて」とプロップ稲垣。初心者が多いクリケットを取り入れ、教え合って主体性を高める練習も導入。知恵を絞ってチームを成熟させた。
ディーンズ監督は「当たり前を当たり前でないと気づけた。だから困難な状況でも冷静だった」。どのチームも満足に練習できず開幕したシーズン。苦境にいち早く順応して高い組織力を備え、頂点に立った。(対比地貴浩)
関連キーワード
からの記事と詳細 ( 堅守速攻のパナソニックがTL最後の王者に 高い組織力と規律で頂点 - 東京新聞 )
https://ift.tt/3474tsi
No comments:
Post a Comment