2020年2月末に中国CDC(疾病予防管理センター)は、国内で発生した新型コロナ患者の致死率が約2%と発表します。この値は02年~03年に中国を中心に流行した重症呼吸器症候群(SARS)の致死率の約10%に比べ、低いものでした。しかし、その後のヨーロッパでの流行では、SARSに匹敵するほどの致死率が確認されます。その大きな原因が医療崩壊という事態でした。今回は新型コロナウイルスの病原性を示す致死率について解説します。
◇中世ペストの致死率は50%以上
病原性とは、感染症を起こす病原体が人の健康にどれだけの影響を及ぼすかを意味します。この病原性を知る指標の一つに致死率があります。発病者のうち死亡者の占める割合で、たとえば狂犬病ウイルスの致死率は100%になり、地球上で最強の病原体と言えるでしょう。 過去に大流行した感染症の中にも致死率が高いものが見られます。14世紀のペストの致死率は50%以上で、肺炎を起こす肺ペストになると100%近くあったようです。治療薬が開発された現代社会でも、肺ペストの致死率は40%以上とされています。19世紀に世界流行したアジア型コレラも致死率は50%近くあり、1832年にパリで流行した際には毎日1万人以上の死亡者が出ました。
◇インフルエンザの40倍以上の致死率
現代社会でも、2013年から西アフリカで流行したエボラ出血熱の致死率は約40%と高く、先に紹介したSARSも約10%の致死率でした。20世紀には抗菌薬やワクチンで感染症の治療や予防が可能になり、多くの人が「感染症」という病気全体を克服したと信じていました。しかし、21世紀に出現した新しいウイルス感染症は、かなり高い致死率だったのです。 その一方で、中国CDCが2月末に報告した新型コロナウイルスの「致死率約2%」という数字には、予想より低いと考えた人が多かったことでしょう。しかし、季節性インフルエンザの致死率が0.05%以下であるのに比較すると約40倍になるわけで、新型コロナのそれは決して低いとは言えません。
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