来春、熊本県内に開業する大型商業施設による従業員募集が相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で採用を抑制する動きもある中、雇用環境の下支え要因となりそうだ。
来年4月にJR熊本駅ビルに開業する大型商業施設「アミュプラザくまもと」。今月上旬に開かれた合同求人面談会では、入居する57テナントが正社員やアルバイトなど約600人を募集。2日間で求職者約900人が詰め掛けた。
このうち食品スーパーのハローデイは、パート・アルバイトを約100人募集。オープンから2カ月間は時給を通常より50円高い千円とする。コロナ禍でも必需品の食品の売り上げが堅調といい、「人材を早めに確保したい」と担当者。雑貨店「ハンズ ビー」のバイト時給は900円からで、土日祝日は50円上乗せするという。
面談会に参加した同市西区の主婦(39)は「コロナの影響で主人の給料が減り、働かざるを得ない状況。ただ子供のいる主婦が働ける時間帯は競争率も高い。なんとか新規スタッフに採用されたい」と話し、複数の面談ブースを巡っていた。
アミュプラザのテナント数は186。ビル全体の従業員数は約3500人となる見込みだ。今回の面談会はその皮切りとなる動きで、今後、新規求人に乗りだすテナントが増えるとみられる。
一方、御船町でまとまった数の従業員を募集したのが、来年4月開業予定の会員制大型スーパー「コストコホールセール熊本御船倉庫店」だ。
正社員、パート、学生バイトなど計300人を雇用予定で、時給1300円以上を提示。10月に同町在住者を対象にした先行募集を開始。11月末からは町外に募集を広げ、20日でいったん締め切った。
応募した同町に住む大学生の女性(21)は嘉島町の商業施設でアルバイト中。ただ時給は千円以下で、「今と同じ時間働いたら1カ月当たり数万円収入が増えるのでコストコは魅力的」と話した。
これらの施設が「県内の雇用機会や所得向上につながる」(日銀熊本支店の中村武史支店長)との見方がある中、求人情報誌などを手掛けるあつまるホールディングス(熊本市)は「県外から進出する企業は採用を円滑にするため時給が高めな場合が多い。周辺施設の時給にも影響しそうだ」と話す。(田上一平、立石真一)
からの記事と詳細 ( 大型施設開業で求職者続々「高い時給魅力」 熊本県内 - 熊本日日新聞 )
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