秋の味覚、庶民の味…。古くから親しまれてきたサンマだが、不漁が続く。旬に入りつつあるというのに、百貨店で一匹千円の値が付く高根の花だ。サンマ、サンマ、サンマ高いか、少ないか。
私たちが味わうサンマのほとんどは、棒受け網という漁法で捕獲されている。船の側面から巨大なハンモックのように張り出した網の中へと集魚灯で魚群を誘い込み、すくい取る手法である。
八月に入り、二〇トン未満の小型船による棒受け網漁が解禁され、サンマの水揚げ日本一を誇る根室の花咲港などから十二隻が千島列島東方沖へと向かったものの、魚群に遭えず、漁獲はゼロだった。
二十日には、主力となる一〇〇トン以上の大型船が解禁されたが、初水揚げは昨年の1%程度。良いものは一キロ三千九百円と、去年の六倍ほどで取引された。
「サンマが、いない」。漁師たちは、口々にそう嘆く。
ここ数年、サンマの不漁は続いている。去年の総水揚げは約四万トンと、十年前の八分の一程度に落ち込んだ。今年はそれを下回る不漁が心配されている。
不漁期は周期的に巡ってくるともいわれるが、サンマはどこへ行ったのか。
まず懸念されるのが乱獲の影響だ。一九八〇年代、サンマの主要漁場である北太平洋は、日本と旧ソ連の独占状態だった。しかし、サンマ人気の広がりとともに、台湾や中国が相次いで参入し、台湾による漁獲は二〇一三年以降、日本を上回るようになっている。
昨年七月、北太平洋漁業委員会(NPFC)は日中台など加盟国・地域のサンマの漁獲総量を年五十五万トンとすることで合意した。
ところが、五十五万トンを超えたという実績はほとんどない。国別の漁獲枠の配分も決まっておらず、実効性には大いに疑問がある。資源自体はまだ十分あるとも言うが、管理の強化は必要だ。
地球温暖化の影響も強く指摘されている。
サンマは毎年黒潮に乗って北上し、千島列島沖で反転、夏から秋にかけて北海道、三陸、銚子沖へと下りてくる。サンマは高温が苦手である。温暖化で日本近海の海水温が高くなり、魚群が近づけなくなっているという。
落語にもあるように、殿様から庶民まで広く愛されてきたサンマ。苦くてしょっぱいその味を次世代に伝え残すには、温暖化対策も不可欠なのだろう。
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