一冊入魂 「自分のことは話すな」（吉原珠央著）
昨年、骨折の治療で入院していたときにお見舞いでいただいた一冊です。私は人と話をするのが好きだけど、話がまとまらないことが多い。「何か変わるきっかけになれば」と思い、読み始めました。
タイトルから衝撃ですよね。振り返ると私は話を聞いてもらうことの方が多く、自分から相手に質問をしたり話題を振ったりすることは少なかったなと気づきました。
ドキッとしたのは「ニコニコしている人ほどあなたへの評価は厳しい」という話です。普段ニコニコ話を聞いてくださる方が多いけど、そういう人ほど「実は会話を諦めている」と読んで、怖いなと思いました。
天気の話題やたわいのない雑談では、相手を深く知ることはできません。友だちでも、聞かれなければ言えないこともある。本には「プライベートなことを聞かないほうが失礼」ともありました。仲を深めるために、受け身でなく、自分から色々聞いてみようと考えるようになりました。
この本は私にとって、よりよい人間関係の築き方を学べる教科書のような存在です。高校時代に読んでいたら、友だちとももっと親しくなっていたかもしれません。今1、2年生が読めば、この先のチームワークがきっと良くなる。3年生は、残りわずかな時間でも仲間とより深い関係になれると思います。（聞き手・寺尾佳恵）
◇
いなむら・あみ タレント。小中学生時代に野球を経験。自動車会社のwebCMで披露した豪快なバッティングが「神スイング」として話題となった。スポーツ番組などに出演するほか、プロ野球の始球式の登板も多い。24歳。
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July 26, 2020 at 12:15PM
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人間関係の築き方を学べる「教科書」 稲村亜美さん - 朝日新聞デジタル
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