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Sunday, June 7, 2020

外国人の「特定技能」取得低調 手続き煩雑、企業に高い壁(北日本新聞) - Yahoo!ニュース

 企業の人手不足の解消のため、外国人の雇用拡大を図ろうと昨年4月に新設された在留資格「特定技能」の取得者数が伸び悩んでいる。富山県内では制度開始から1年間で25人にとどまっており、全国でも国の見込みを大幅に下回った。制度の使い勝手が悪いことが理由とみられ、新型コロナウイルスの感染拡大による雇用情勢の悪化も影を落としている。  エレベーターメーカーの大澤工業(富山市池多)は昨年6月に1人、今年1月に2人のベトナム人男性を特定技能の資格で受け入れた。いずれも技能実習生からの移行で、溶接作業の経験を積んだ“即戦力”だ。  その中の一人、チャン・バ・ビさん(30)は「実習生の頃より給料が増え、仕事の幅も広がった」と話す。特定技能の資格があれば、給与や住まいなどの面で日本人と同等の待遇を受けることができる。大澤恒寛専務(46)は3人に「社内で働く外国人材のリーダー的存在になってほしい」と期待する。

 ただ、同社のように特定技能の人材獲得に積極的な企業は少数だ。5月末に公表された出入国在留管理庁のまとめでは、県内の特定技能の外国人は今年3月末でベトナム人13人など25人。全国では3987人で、「初年度は約4万7千人」としていた政府見込みの1割にも届かなかった。  一方、従来の技能実習生は昨年、県内で894人増えた。実習生の受け入れ事業を担う県内の監理団体は、「特定技能は手続きが煩雑で中小企業にはハードルが高い。多くの企業が既にノウハウのある技能実習制度に頼っている」と指摘する。  特定技能は性急な制度設計だったため、送り出し国側との調整が遅れた面もある。鋳鉄メーカーの高岡製作所(高岡市四日市)は、フィリピンからの受け入れを検討したが、結局断念した。奈部和宏社長(65)は「賃金や住まいなどに関する具体的な取り決めがフィリピン側でなかなか定まらず、話が進まなかった」と言う。  「コロナ不況」で、外国人の雇用自体を見直す動きも出ている。特定技能の外国人を支援する「登録支援機関」の認定を持つ県西部の製造業などの協同組合によると、受け入れを計画していた組合員企業が最近になって「業況が厳しい」として取りやめたケースがあった。

 組合の担当者は「雇用情勢の悪化に加えて出入国の制限も続いている。技能実習生も含めて外国人の雇用自体が今後しぼんでいくのではないか」と話した。

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