新型コロナの影響で夫婦仲が険悪に?
新型コロナウイルスの影響で、テレワークや外出自粛などで自宅にいる時間が増えた人は多いことだろう。そのような中で今、“コロナ離婚”というワードがSNSなどで話題となっていることをご存知だろうか?
夫婦で過ごす時間が増えるなど、生活環境が変わったことでストレスが溜まり、いつもよりケンカが増え、パートナーとの離婚を考える事態にまで発展しているようなのだ。
実際、新型コロナウイルスの影響で、夫婦内での暴力事件も起きている。5日夜、東京・江戸川区の自宅で、妻を殴り、けがをさせた疑いで59歳の夫が逮捕された。
妻に「コロナのせいで出勤回数が減り、収入が減った」と言われた夫が、自分を批判されたと感じて口論に。そして、妻の顔に平手打ちをして床に転倒させ、病院搬送後に死亡した。なお、これまで暴力の相談などはなかったという。
このようなトラブルは、なにも日本だけでない。国連などはストレスによるDV(家庭内暴力)の危険が増しているとして、世界各国に対応を要請。感染拡大が続くフランスでは、DV被害が1週間で3割以上も増えているという。
こうした中、夫婦の関係がこじれてしまった人を対象に、マンスリーマンションなどの宿泊施設を一時避難所として提供するサービスを民間企業が始めた。訪日旅行客の宿泊をサポートしてきたカソク株式会社(東京)と宿泊事業の許認可クラウドサービスを手がける株式会社ジーテック(東京)が共同で企画したものだ。
エリアは東京をメインに、札幌、大阪、京都、福岡も対応予定。部屋には、リモートワーク環境が完備され、家具や家電、Wi-Fiも整備されている。
サービスを始めたということは、やはり“コロナ離婚”は増えているのだろうか? 実際問い合わせはどれくらいあるのか? カソク株式会社代表の新井恵介さんに詳しく話を聞いてみた。
夫婦の距離を置いたり、頭を冷やすために一時避難所
――まず、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響で会社の被害はあった?
1月の影響はあまりございませんでしたが、2月は対昨年比で売上50%減、3月は売上30%減と、海外からの渡航制限や、国内の移動の自粛が増えるにつれ、減っていっております。
ただ、空室期間をマンスリーマンションや一時テレワーク施設、リモート施設としてご提供させて頂くことで、空室を埋めていっております。それもあって、中には、100%稼働している民泊部屋や、70%稼働している小規模ホテル(1棟20室程度)もございます。
――なぜこのサービスを始めた?
4月3日の朝に「コロナ離婚」という言葉がメディアで報じられた後、Twitter等のSNSで同ワードがバズり、当社としても何かしら出来ないかと企画部で練りました。その上で、法務相談や離婚の相談の実績が豊富な株式会社ジーテック様と共同でサービスを急遽作り、プレスとサービスのリリースを同日の22時から行わせて頂きました。
――具体的なサービスの内容は?
サービスの相談として2ステップございまして、
ステップ1:話をお聞きした上で、まずは距離を置いたり、頭を冷やすという意味で、一時避難所のご提案を行います。(役割:カソク社)
ステップ2:それでもどうしてもヒートアップしてしまい、難しい場合は、専門家がご相談に載ります。(役割:ジーテック社)という流れで対応させて頂いております。
ケンカの原因は「危機管理能力のすれ違い」「一緒にいることのストレス」
――ちなみに新井さんは結婚されている?
私は結婚しておりませんが、同棲している彼女はおりました。ただ長い時間一緒にいることにストレスを感じられ、コロナ破局を致しました。
――周りでコロナ離婚の声を聞くことはあった?
各5名ずつ既婚男性、既婚女性にヒアリング調査を行ったところ、そういうニーズがあることは確認できました。原因については、このようなことが確認できました。
・危機管理能力のすれ違い(奥さんは家で自粛しているのに、旦那さんが飲みに行く)
・長時間(終息が見込まれない期間の間)パートナー同士一緒にいることのストレス
・家にいて家事を手伝わない夫に当たる妻
サービス開始から3日で30件を超える問い合わせ
――一時避難所はどのように使う?
基本的には、コロナ離婚の防止・コロナ破局の防止につなげたいと考えております。その様な段階までヒートアップする手前のところで、距離を一時的にあけることで、防止につなげたいと考えております。
――どんな部屋がいくらで利用できる?
東京を中心に1Rから一戸建てまで、一泊4,000円(
――実際、問い合わせはどれくらいある?
3日夜にリリースしてから、土日で約20件、週明けの7日に10件近いお問い合わせをいただいております。経済不安と感染不安で、かつ外に出れない精神状態が良くない状況も相まって、この様な状況につながっているのではないかと感じます。
問い合わせの半数以上が「期間1カ月程度」
――問い合わせする人の特徴は?
半数以上が1カ月程度です。自宅と職場両方へ楽に移動できる場所で、弊社の案内できるお部屋の多い新宿・池袋・
――問い合わせにはどんな声があった?
40代男性で、奥様と中高生の息子と娘がおり、都内マンションで暮らしているが、コロナの影響で子供たちは家にいて、妻のストレスもたまり、相談者様の居場所がない状態。
それは部屋が少なく、結局家族みんながリビングに集まらざるをえないという理由からのようです。相談者様の勤務先は在宅勤務を推奨しているが、zoom会議が頻繁に入ることもあり、家では対応できないということで、やむなく出社しています。
このように外出して家に帰ってくる相談者様に対し、奥様はコロナのリスクがあるから、帰ってきてもらいたくないということのようです。そこで、相談者様だけでもまずはどこか一時的に避難できる部屋はないかと思い、問い合わせへつながった、というケースです。上記のようなパターンが多く、ほか奥様からの問い合わせも半数といった状況です。
7日に安倍首相が緊急事態宣言を発令したことで、今後はより外出自粛や在宅勤務などにより自宅で過ごす時間が増えることが予想される。普段なら許せることも、ストレスから心の余裕がなくなり、夫婦ゲンカに発展してしまうこともあるだろう。そういう場合には、こういったサービスを利用して、程よい夫婦間の距離を保つのもいいかもしれない。
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April 08, 2020 at 03:30PM
https://www.fnn.jp/articles/-/29782
外出自粛のストレスで“コロナ離婚”? 夫婦関係がこじれた人向けの一時避難所サービスが登場|FNNプライムオンライン - www.fnn.jp
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