[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスは今後3年間の新たな収益目標を来年の早い時期に打ち出す計画。投資銀行、トレーディング両部門の好調を背景に、2020年に発表した収益目標はおおむね予想より速いペースで進捗しており、前回の長期目標と同様の水準に設定できる見通し。関係筋が明らかにした。
同社は昨年1月、投資家向け説明会を開催し、自己資本利益率(ROE)と有形株主資本利益率(ROTE)について、期間3年と5年の目標を公表した。アナリストからは当初、野心的との評価が聞かれた。ROEは中期的に13%、長期は15%前後を見込んだ。
同社の業績はその後、米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和策の恩恵を受け、主要部門が好調となった。関係筋によると、FRBが金融引き締めを進めれば経営環境は現在ほど良好でなくなると幹部らは理解しており、同社は25年までの期間について、20年に発表した長期目標と整合的な収益目標を出す方向で検討している。
具体的には、新たな中期目標はROE、ROTEともに15%以上とする考えだ。ただ、来年までに変更される可能性はまだあるという。
今年は1─9月にROEが年率で25.7%、ROTEが同27.2となっており、目標を超過達成している。20年のROE11.1%、ROTE11.8%から大きく改善した。
ただ、傘下のコンシューマーバンキング部門「マーカス」については、経営陣が今年序盤に21年の黒字化目標を撤回するなど、厳しい状況となっている。
一方、関係筋の1人によると、ゴールドマンは新たな収益目標を来年の早い時期に出す方向だが、正式な投資家向けイベントは開かない考え。
同社の株価は年初から47%急騰し、S&P銀行株指数をアウトパフォームしている。デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)が事業構造改革を果たすとの市場期待が強くなっているあらわれだ。
関係筋によると、現在は異例の事業環境が収益率指標を押し上げているため、長期的に持続不可能な水準にあると経営陣は認識しているという。ただ、状況が正常化しても、コスト削減や市場シェア拡大を背景に、現行の中期目標を引き続き超過達成することに自信を示しているという。
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