
1回着たら「さようなら」
英中部ノッティンガム出身の学生アレシア・テレスコ(21)は、同じ服を2回着てソーシャルメディアに写真や動画を投稿することはめったにない。 そんなわけで、2021年9月のはじめに、友人の誕生日を祝おうと新しいミニドレスをZARAで購入した。スパイラル模様がプリントされた70年代風のドレスで、価格は27.99ポンド(約4400円)だった。 テレスコはそのドレスを身に着けた写真に「親友との週末」とキャプションをつけ、インスタグラムに投稿。「いいね」が296件つき、ドレスはリセールアプリ「Depop」に出品されることとなった。テレスコは着なくなった洋服をそこで転売しているのだ。 「もうそのドレスを着て写真は撮れません。すでに一度投稿しちゃったから」とテレスコは言う。「見栄っ張りだと思われるのはわかっています」 スコットランドのエジンバラに住む学生で、気候危機がもたらす社会の不公正を改善しようとしている活動家のミカエラ・ローチ(23)は、テレスコが感じているそうしたプレッシャーを理解できると話す。 「正直なところ、私もソーシャルメディアを使っているので、写真を投稿するときは毎回違う服を着たほうがいいかなと思うことがあります」 ローチは古着を買っている。「どうしてもいい古着が見つからないときは新品を買いますが、その服のメーカーについては、必ず徹底的に調べています」
ファッションに対する真逆の態度
この2人は2歳しか違わず、住んでいる国も同じだ。それなのに、持続可能性に関する考え方という点では、まるで異なる言語を話しているようだ。 テレスコとローチのこうした意見の相違はZ世代に特有のもので、近頃はそれがますます顕著になりつつある。Z世代とは、1997年から2012年のあいだに生まれた若者たちのことで、社会について進歩的な考えを持ち、環境意識が高い傾向にあるとされている。 しかしその反面、彼らは最大の環境汚染源に数えられるファストファッションを貪欲に買いあさる消費者でもある。ファストファッション産業は、南半球の発展途上国における労働者の人権侵害問題と結びつけられることも多い。 「ヴォーグビジネス」がZ世代105人を対象に実施した2020年の調査では、半数以上が「洋服のほとんどをファストファッションブランドから購入している」と回答した。 また、市場調査会社ミンテルのデータによると、ファッションの消費に関して言えば、Z世代は年長の世代を上回っている。「購入したまま一度も着ていない服がある」と答えた割合は、英国在住の16歳から19歳の若者は64%に上ったが、調査対象の全成人では44%だった。 にもかかわらず、ミンテルのデータでは、「自分が購入した製品が環境に与える影響に関心がある」と回答した割合は、他世代よりZ世代のほうが高いことも判明している。「ファッションアイテムを購入する際の重要なポイントは持続可能性だ」と回答した割合は、16歳から19歳は70%だったが、65歳から74歳の場合はわずか20%だった。
からの記事と詳細 ( 「環境意識は高いのに、ファストファッションが大好き」 Z世代の矛盾する態度はどこから来るのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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