[ロンドン/モスクワ 6日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が4日の会合で、原油価格の高騰にもかかわらず現行の控えめな増産ペースの維持を決定した理由の1つは、原油の需要および価格が今後弱まるとの懸念があるからだ。関係筋が明らかにした。
もう1つの大きな理由は、価格高による石油収入の増加だ。OPECプラスの3人の関係筋によると、加盟国の収入は2020年に新型コロナウイルス流行を背景とする原油需要および価格の崩壊で激減したが、足元は増えている。
OPECプラスの代表者は、匿名を条件に現在の価格水準については「皆が喜んでいる」と述べた。
OPECプラスに対しては、米国やインドなどの消費国から増産幅拡大を求める声が上がっていた。関係筋によると、OPECプラスは4日の閣僚級会合の前に日量80万バレルの増産も検討したが、実際は、日量40万バレルのペースで増産する現行の合意を11月も維持すると決定した。
OPECプラスの関係筋は「OPECは過去の教訓を踏まえて従来より慎重になっている。拙速な決定は石油価格の急落を招く可能性があるからだ」と述べた。米国などからの政治的な圧力は、まだ効果を表していないと指摘した。
別の関係筋は「われわれはコロナ感染第4波を恐れている。誰も大きな動きには出たくない」と語った。
3人目の関係筋によると、一部の加盟国は増産幅を拡大すれば、来年の原油市場の需給バランスが崩れかねないとの懸念を示したという。OPECプラスは既に来年は供給過多になると見込んでおり、増産ペースを加速すれば在庫が積み上がり、下期に過去5年の平均を上回るリスクがあるという。
OPECプラスの決定を受けて原油先物価格は4日に1バレル=81ドルを突破。6日には84ドル近くまで値を上げた。
からの記事と詳細 ( OPECプラスの増産幅拡大見送り、 先行き懸念など反映=関係筋 - ロイター (Reuters Japan) )
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