Pages

Thursday, May 27, 2021

タイ、ミャンマー弾圧静観 国軍との関係維持を最優先 - SankeiBiz

 クーデターで全権を握った国軍の弾圧が続くミャンマーをめぐり、隣国タイが静観を決め込んでいる。両国軍は「兄弟」(タイ軍筋)と呼び合う密接な関係で、国際社会は事態打開にタイの関与を期待。国連特使も働き掛けたものの、プラユット首相は目立った動きを見せていない。弾圧による犠牲者が増加し、タイ国内でも積極関与を求める声が上がるが、国軍との関係維持を最優先する構えだ。

 タイはミャンマーと約2400キロに及ぶ国境を接し、約400万人のミャンマー人労働者がいるとされる。クーデターに抗議するデモは、タイ各地でも頻発した。

 3月下旬からミャンマー国軍と少数民族武装勢力の戦闘が激しさを増すと、国境に近いタイ北西部には避難民が流入。ミャンマーの混乱はタイにとっても深刻な事態だが、プラユット氏は4月下旬、ミャンマー情勢を協議した東南アジア諸国連合(ASEAN)臨時首脳会議を欠席した。

 プラユット氏は今月14日、ブルゲナー国連事務総長特使と会談。外交筋によると、避難民への人道支援を約束したものの、状況が安定したら帰還させると強調した。タイ軍筋はこうした態度について「ミャンマー国軍との長年の関係は犠牲にできない」と判断したためだと説明する。

 国境付近には麻薬密造拠点があり、両国の治安当局は連携を深めてきた。軍同士の関係は良好で、元陸軍司令官のプラユット氏とミャンマーのミン・アウン・フライン総司令官は親しい間柄にあるという。同筋は「われわれにできるのは、国軍にASEAN特使を受け入れさせる環境を整備する程度だ」と指摘する。

 ミャンマーの人権団体によると、国軍による弾圧の犠牲者は800人を超えた。タイのガシット元外相は、政府の姿勢を厳しく批判し「国軍に暴力を停止させ、避難民のために国境を開かねばならない」と訴えた。(バンコク 共同)

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( タイ、ミャンマー弾圧静観 国軍との関係維持を最優先 - SankeiBiz )
https://ift.tt/3vsDeEE

No comments:

Post a Comment