前回はロレックスの人気と資産価値というテーマについて考えてみました。 今回は「資産価値の高い腕時計の特徴」というテーマについて考えてみたいと思います。 ロレックスの他にも資産価値の高い時計は多くありますが、代表格はやはり世界三大時計ブランドの“ラグジュアリースポーツウォッチ”ではないでしょうか。 中でも、パテック・フィリップの“ノーチラス”、オーデマ・ピゲの“ロイヤルオーク”、そしてヴァシュロン・コンスタンタンの“オーヴァーシーズ”がよく知られるモデルかと思います。 これら資産価値の高い時計の特徴とは何なのでしょうか? その共通点を考えてみようと思います。
1. 供給量が少ない
これら世界三大時計ブランドクラスが作る時計は、外装はもちろん、ムーブメントの部品ひとつひとつまで非常に丁寧な仕上げが施されています。 そのため、一本完成させるまで多くの時間を要し、いわゆる工業的(マスプロデュース的)なブランドの時計に比べて、生産量がとても少なくなっています。 また、どのブランドも昔から貴金属性のドレッシーな時計や、複雑機構を搭載した時計など、芸術性の高い時計を得意としていました。 したがって、ステンレス製のスポーティな時計を量産することは、例え売れ線であっても、ブランドの世界観と合わないと、慎重な姿勢を示しているブランドも中にはあります。 このような供給量の少なさ、つまり希少性がさらに市場を刺激し、資産価値を高める要因の一つとなっています。
2. ラグジュアリースポーツウォッチ
では、そのようなブランドで、希少な時計は全て資産価値が高いかというと、そうとも言い切れません。なぜなら、それは人気があるもの(つまり需要が高いもの)とは限らないからです。 一方で、近年安定して人気が高く、高い需要を誇るジャンルがあります。それが、ラグジュアリースポーツウォッチです(通称: ラグスポ時計)。 このラグスポ時計の詳しい解説についてははじめての1本にもおすすめ!ザ・万能腕時計「3針スポーツ/ラグスポ時計」の特徴と選び方を読んで頂きたいのですが、簡単にまとめると、“ある程度の耐久性を備えたスポーティ時計でありながら、最高級の仕上げが施された時計”でしょうか。 つまり、「日常使いできるラグジュアリーな時計」というコンセプトです。 ラグジュアリーでスポーティというトレンドは、腕時計に限った話ではありません。 クルマ業界では、SUV人気が続いていますし、ファッション業界でも「スポーツMIX」がトレンドですよね。 そういった時代背景もあって、ラグスポ時計の人気は近年特に高まっています。私の記憶では2016年ごろまでは、特筆した人気はなく、定価で買えていたと思います。 そう考えれば、人々の生活様式の変化によって、人気の高まる時計のジャンルもまた移り変わるかもしれないですね。
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