[ロンドン 8日 ロイター] - 英政府は8日、欧州連合(EU)が英領北アイルランドへの新型コロナウイルスワクチンの輸出を制限しようとしたことで信頼関係が損なわれたとして、EUとの関係見直しと、離脱協定に含まれる英国と北アイルランド間の取引に関する規定の修正を提案した。
EUと英国の関係は数年にわたる離脱交渉で冷え込んでいたが、EUが先月、コロナワクチンの輸出管理にあたり北アイルランドへの輸出も制限対象としたため、関係はさらに悪化した。
EUは英国の反発を受け、北アイルランドへの輸出制限をすぐに撤回したが、英国はEUの失策に乗じて、英国と北アイルランド間の取引に混乱を引き起こしている離脱協定の修正を迫りたい考えだ。
離脱協定では、アイルランド島内における物理的な国境の設置を避けるため、EU加盟国アイルランドと接する北アイルランドは引き続きEUの単一市場に留まることとなっている。
離脱協定の履行責任者であるゴーブ内閣府担当相(国務相)は英議会委員会で、EUは国境でのワクチン管理計画を提案し、北アイルランドの市民よりも域内の市民を優先しようとしたとしてEUを非難。「(EUとの)信頼関係が損なわれ、適切な関係見直しを模索すべきときだ」と述べた。
ゴーブ氏は先週、EU欧州委員会のセフコビッチ副委員長宛てに書簡を送り、英国・北アイルランドの物品輸送に関する複雑な手続きを免除する「猶予期間」について、食品輸送の猶予期間を数カ月から最低2年間に延ばすよう求めた。だが、EU側は英政府の要望を拒否している。
ゴーブ氏は議会で「離脱合意に含まれる北アイルランドとの取引に関する規定が北アイルランドの人々に実際に利益をもたらすように修正が必要だ」と語った。
英紙テレグラフによると、EU側は物品輸送の猶予期間の3─6カ月の延長に合意する可能性が高い。
欧州委の報道官はゴーブ氏の発言に直接コメントすることは避けた上で、12月に合意した通商協定の修正協議には応じない姿勢を示した。
ただ、双方は問題解決に集中的に取り組むことでは合意しており、ゴーブ氏は11日にセフコビッチ氏と協議する予定。
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