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Wednesday, January 6, 2021

中国経済回復 課題は米中関係 - TBS News

 世界の今が見える「World特派員リポート」です。去年は新型コロナの初動対応などをめぐり、アメリカと激しく対立した中国。バイデン政権に代わる今年、どう関係を築くのでしょうか。

 中国は、経済では新型コロナの影響から急速な回復を見せる中、今年の外交での課題は、トランプ政権で激しい対立が続いたアメリカとの関係です。中国政府に助言する機関にも所属する外交の専門家に、バイデン氏の対中政策をどう見ているのか、話を聞いてきました。

 「アメリカのハイテク技術への圧力は緩和されないだけでなく、むしろ強化されていく。いかに世界経済を早く回復させるか。気候問題などでは両国は協力できると思う」(北京大学国際関係学院 賈慶国教授)

 顔認証などハイテク分野での中国へのさらなる圧力を警戒する一方、“国際協調”を重視するとしているバイデン政権とは協力できる分野もあると指摘します。特に気候変動をめぐっては、バイデン氏はトランプ氏が離脱した「パリ協定」への復帰を既に表明していて、協力が期待されます。

 また、王毅外相は「新たな希望の窓が開くことが期待されている」と述べるなど、国を挙げてアメリカに対し前向きなメッセージを送っている印象を受けます。

Q.アメリカとの関係改善、具体的にはどのように?

 米中関係の改善には日本の存在も重要視されているようです。こちらは中国の外交トップ、楊潔チ氏が去年11月、中国共産党の機関紙に寄稿した文章です。中国の外交上、「周辺」は日本などの近隣国、「大国」はアメリカを指す「大国と周辺」という言葉がよく使われるのですが、今回は語順が入れ替わり「周辺」重視の表れではないか、という見方も出ています。先ほどの専門家もアメリカとの関係の中で日本が果たす役割も大きいと言います。

 「日本は中国とアメリカの間の橋渡し的な役割を果たせる。米中関係が良好であることは日本にとっても有益なこと」(北京大学国際関係学院 賈慶国教授)

 その一方で、中国が領有権を主張する沖縄県尖閣諸島をめぐる問題など、中国は主権に関わる話では引き続き譲歩しないものとみられます。

 今年は習近平指導部が掲げる「中華民族の偉大なる復興」の実現を目指す共産党創設100年の節目の年です。中国としては日本など「周辺」の国との関係を戦略的に利用しながら、「大国」アメリカによる“中国包囲網”にくさびを打っていきたい、そんな1年になりそうです。

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