「テレビを見てSIMカードにロックをかけようとしたら、スマホが使えなくなった」──6月27日、ネット上でこんなトラブルの報告が相次いだ。同日に放送された日本テレビの番組「世界一受けたい授業」の内容が原因だという。
同日の番組内容は、「あなたのスマホがとにかく危ない!個人情報の特定屋とは!?」というもの。元埼玉県警捜査一課警部補で現在「刑事コメンテーター」として活動している佐々木成三さんが、デジタル犯罪から身を守るためのスマートフォンの設定を指南した。
その中で紹介されたのが「SIMカードロック」。スマートフォンのロックだけではなく、SIMカードに設定できる「PINコード」(4桁の数字)を初期設定から変更することで悪用を防ごうという意図だ。
しかし、SIMのPINコードは入力する番号を3回間違えると「PINロック」状態に陥ってしまい、データ通信はおろか、電話の発着信などSIMを使った通信が使えなくなる。
スマートフォンの設定に詳しい、インターネットイニシアティブ(IIJ)のMVNO事業部シニアエンジニアでもある広報部の堂前清隆副部長は、「操作を間違えるとスマホが利用できなくなる、極めて危険性の高い機能」と指摘する。
他の方法で代替できる上に設定方法が“初見殺し”
堂前副部長は、「この設定で守れることに対してリスクが高すぎる」と続ける。
「SIMカードを紛失した際、拾われて勝手に通信されたり、SIMカード内に保存されている電話帳などを読み取られたりといった危険はある」と、確かにSIMカードロックで守れるものはあると話す。
しかし、その必要性については「通信はキャリアに紛失の届け出をすれば止められるし、いまどきSIMカード内に電話帳を保存している人は多くないと思われる」として、わざわざSIMカードロックを使わなくても他の方法で代替できると指摘した。
さらに、「iOS、AndroidともにSIMカードロックの設定方法は“初見殺し”だ」ともいう。
「なぜこのような設定方法になっているのかは分からないが、iOS、Androidともに初めてSIM PINのコードを設定する際、入力欄に『初期設定のPINコード』を入れる必要がある。普通はこの欄にはこれから設定するPINコードを入れたくなるが、そうして3回間違えるとロックが掛かってしまう。私でも分かりにくいと思う」
初期設定のPINコードは通信事業者ごとに異なる。PINコードの入力を間違え、PINロック状態に陥ってしまった場合は、8桁の解除コード(PUKコード)が必要になる。PUKコードの入力も10回間違えるとSIMカード自体が無効になり、復活できなくなってしまう。
「SIMカードへの電話帳保存はGSM時代からある機能だが、現在はスマートフォンのソフトウェア側の電話帳機能が発展したため、わざわざ使う人はほとんどいないだろう。その時代ならまだしも、今となってはSIMカードロックの機能はバランスが悪く、おすすめできない」
日本テレビは27日の放送終了後、番組公式サイトに同日放送回のまとめ記事を公開したが、29日時点で記事は削除されている。ITmedia NEWSは日本テレビにコメントを求めたが、「担当者不在」との回答を受けた。
追記:2020年6月29日午後7時50分 日本テレビがコメント発表
日本テレビはITmedia NEWSの質問に回答するとともに、番組公式サイト上で27日の放送についてコメントを発表した。
「デジタル犯罪対策の1つとしてご紹介した『スマートフォンのSIMカードロック』の説明に関して分かりづらい点がありました」とした上で、「ご紹介した方法には携帯電話会社ごとに異なる操作がありますので、手順を確認出来ない場合は、操作を控えて頂くようお願い申し上げます」とした。
(追記ここまで)
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June 29, 2020 at 12:00PM
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