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Monday, May 4, 2020

喫煙に高い重症化リスク、コロナ機に禁煙外来利用を - SankeiBiz

 喫煙室設置に関わる規制を改めて整理してみた。

 今年4月1日から全国で屋内は原則として禁煙となった。例外として、多数の人が利用する施設や飲食店などの事業者、ならびに船舶・鉄道に関する旅客運送事業では、喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室の設置が可能である。違いは、前者の喫煙専用室が紙巻きたばこも加熱たばこも喫煙できるが、飲食は禁止なのに対し、後者の加熱式たばこ専用喫煙室は経過措置として設置が認められ、加熱式たばこ以外のたばこ製品は喫煙できないが、飲食は可能である。それぞれ所定の標識を掲示し、未成年者の立ち入りを禁止しなければならない。

 4月1日現在、営業し、資本金5千万円以下で、客席面積100平方メートル以下の小規模飲食店では、経過措置として、喫煙可能店を選択できた。その場合、喫煙可能であることを掲示し、従業員・客ともに未成年者の立ち入りを禁止しなくてはならない。また、4月1日以降の喫煙可能店への転換や喫煙可能店の新規開業は認められていない。

 なお、多数が利用する施設でも、旅館・ホテルなどの客室や居住用の場所は屋内禁煙の原則は適用されない。ただ、屋外や家庭などで喫煙する場合、周囲に受動喫煙させないよう配慮することが求められている。

 新型コロナウイルスの感染防止のため、各地でスーパーなどの入店規制が行われ、公園まで閉鎖されている。こうした状況を考えると、3密の条件がそろい、利用時には感染に無防備な状態になる喫煙室は利用を禁止し、閉鎖すべきである。

 ところで、日本禁煙科学会から4月23日、以下のような趣旨の声明が発表された。

 喫煙により、免疫機能や肺機能が低下することは、よく知られている事実である。MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスの研究では、喫煙者は非喫煙者の3倍の罹患(りかん)リスクを有することが報告され、今回の新型コロナウイルス感染についても、喫煙が重症化の大きなリスク要因となっていることが示されている。受動喫煙でも呼吸器感染リスクが高まるので受動喫煙を防ぐ必要があるが、それには喫煙をやめるしかない。禁煙治療は率が高く、国内の禁煙外来の禁煙成功率は80%を超えると報告されている。

 群馬県内には表に示すように健康保険で受診できる禁煙外来が280カ所を超える診療所・病院に開設されている。禁煙外来の標準的治療プログラムでは、所要期間は3カ月、保険診療の治療費個人負担分は合計2万円程度である。新型コロナウイルス肺炎に限らず、喫煙はさまざまな疾病のハイリスク要因ともなっている。この機会に、近隣の禁煙外来を利用しての禁煙治療をお勧めしたい。(高崎健康福祉大教授 東福寺幾夫)

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