厳選!2歳馬情報局(2021年版)第15回:ヴァンガーズハート 今春の3歳牡馬クラシックも白熱の戦いが繰り広げられた。そこで主役を張った1頭に、エフフォーリア(牡3歳/父エピファネイア)がいる。 【写真】過去の激走馬とそっくりな新潟記念の「穴馬」 同馬は昨夏の2歳新馬(札幌・芝2000m)でデビュー。その初陣を快勝すると、およそ2カ月半の間隔をあけて臨んだ1勝クラスの百日草特別(東京・芝2000m)も制して、デビュー2連勝を決めた。 まだこの時点では同世代における有力馬の1頭にすぎなかったが、3戦目のGIII共同通信杯(2月14日/東京・芝1800m)で評価が一変する。実力馬、評判馬が顔をそろえたこの一戦で、エフフォーリアは3番手から上がり33秒4の末脚を繰り出して完勝。後続に2馬身半という決定的な差をつけて、一躍クラシックの最有力候補に浮上した。 そして、クラシック初戦のGI皐月賞(4月18日/中山・芝2000m)で圧巻の強さを披露。馬場状態を考慮して各馬が外目を回るなか、エフフォーリアは果敢にインをついて、強豪ライバルたちを難なく退け、2着に3馬身差をつける圧勝劇を演じた。 続くGI日本ダービー(5月30日/東京・芝2400m)では断然の1番人気に推され、無敗の二冠馬誕生へ期待が高まった。実際、直線では馬群の真ん中から先頭に立つ完璧な競馬を見せて、そのまま勝利するかと思われた。が、最後に鋭く伸びてきたシャフリヤールと並んでゴール板を通過。わずかハナ差及ばず、2着に敗れた。 それでも、世代屈指の実力を大舞台で示したエフフォーリア。今後のさらなる活躍が見込まれている。
そのエフフォーリアの弟がデビューを控えた2歳馬の中にいる。兄と同じく美浦トレセンの鹿戸雄一厩舎に所属するヴァンガーズハート(牡2歳/父ハービンジャー)だ。 同馬は当初9月初旬にデビューする予定で調整されていたが、調教の動きから一度放牧に出されることになった。陣営のその判断について、関東競馬専門紙のトラックマンはこう明かす。 「厩舎スタッフによると、『まだ馬体が緩く、調教を重ねるなかで良化すればと思っていたが、想定していたとおりの上昇曲線を描けなかった』とのこと。もともと入厩前に夏バテ気味だった経緯もあり、いったん放牧に出して立て直すことにしたようです。おそらく11月の東京開催あたりが、新たなデビュー目標となるのではないでしょうか」 初陣の予定は白紙になったものの、この血統に対する陣営の期待は大きいという。トラックマンが続ける。 「緩さが残っているとはいえ、今は馬体が500kg近くあって『見栄えのする馬格』とスタッフ。気性的にもクセは見当たらず、『状態さえ上がってくれば、走ってくるタイプなのでは』と見ています。もちろん、周囲の期待は高く、デビューが決まれば注目すべき存在と言えるでしょう」 デビューは先延ばしになったが、この休養がプラスに働いて素質開花につながる可能性は大いにある。エフフォーリアの弟として注目を集めるヴァンガーズハート。初陣を迎える日を楽しみに待ちたい。
河合力●文 text by Kawai Chikara
からの記事と詳細 ( エフフォーリアの弟、ヴァンガーズハート。注目度高い期待馬は「見栄えがする馬格」(webスポルティーバ) - Yahoo!ニュース - スポーツナビ )
https://ift.tt/3zLAnZn
No comments:
Post a Comment