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Wednesday, June 16, 2021

さらば、すべてのワイヤレスイヤホン。「WF-1000XM4」のノイキャンは、次のステージに移行した - ギズモード・ジャパン

zeranjerat.blogspot.com

限界を超えた気がします、ワイヤレスイヤホンの。

ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」が、2021年6月25日(金)に発売されます。これはにソニーの新しいイヤホンというだけでなく、当時最強クラスだった「WF-1000XM3」の待望の後継機であり、あらゆる点をブラッシュアップしてきた、皆が待ち望んでいたシン・完全ワイヤレスの登場でもあるんです。

速報音質米Gizmodoと3記事もレビューがあがってますが、今回はしばらく使ってみた上でのストレートレビューです。ついでに今までの記事で言及できなかった細かな点についても触れていきましょうか。

WF-1000XM4

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これは何?:ソニーがおくる、次世代を牽引する完全ワイヤレスイヤホン。

価格:3万3000円。

好きなところ:最高クラスのノイキャン、安定したフィッティング、それらが支える音質。

好きじゃないところ:カスタムできる操作要素が少ない。

ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM4 : 完全ワイヤレス/Amazon Alexa搭載/Bluetooth/LDAC対応/ハイレゾ相当 最大8時間連続再生/高精度通話品質/IPX4防滴性能/ ワイヤレス充電対応/2021年モデル / マイク付き 360 Reality Audio認定モデル プラチナシルバー WF-1000XM4 SM

WF-1000XM3時代の課題にひとつずつ対処

前モデルの「WF-1000XM3」は、ノイキャンや音質こそ上等なれど、ケースや本体の大きさ、マイク性能、コーデック、防水性能などを改善してほしいとユーザーから要望があったそうな。今回のXM4は、これらの要望にすべて応えたと言って良いでしょう。

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特にケースのコンパクトさは、XM3の頃と比べると見違えるほどにサイズダウン! ちゃんと自立もするし(XM3は自立しなかった)、LEDのライティングも躍動感あるし、良き仕上がり。ケース本体のマグネットはかなり強力で、取り出し時や収納時にイヤホンが落ちる心配はありませんでした。なんなら強すぎる気もする。

XM4には4つのマイクが搭載され、高精度なボイスアップテクノロジーが採用されています。ビームフォーミング技術と骨伝導センサーの2種類で、話者の声を正確にキャッチ。地下鉄のような騒がしすぎる環境から通話しても、まるで寝室から話しかけてるかのごとくノイズレスな通話が可能です。ほんっとにノイズが聞こえないの。

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金属質の意匠部分が、ノイズや声を拾うフィードフォワードマイク。XM4のアイコニックパーツでもあり、ソニー技術の結集でもあります。デリケートに見えますが、本体の防滴性能はIPX4。バッテリーは本体8時間+充電ケース16時間。

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上部にはまた別のマイクがあり、こちらには各種センサーも搭載されているとのこと。

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そして内側にはフィードバックマイクが搭載。これらのマイクから入った音は総合プロセッサーV1にて処理されます。音は、マイク→V1プロセッサー内のA/Dコンバーター→DSP→D/Aコンバーターと信号処理がなされ、最終的に6mmのダイナミックドライバーを振動させます。このV1プロセッサー部分の処理速度が向上したことで、ノイキャンの精度もアップしました。

テレワーク需要により、ワイヤレスイヤホンをマイクとして使う人も増えたこの頃。XM4のマイクならどんな場所にいても、自分の声をよりクリアに届けることができるでしょう。「なんだかあの人の声、聞き取りやすいな」と思われれば、仕事面でも好印象かも?

より正確な装着感を実現

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これまでのレビューでお伝えしたとおり、XM4には独自開発したイヤーピースが採用されています。なるべくアップで撮影してみましたが、ポリウレタンの質感が見えますか? ウレタンだけどコンプライほどスポンジ感がなく、米Gizmodoによるとその耐久性はイヤホンの寿命と同じくらいだとか。すご!

イヤホンの真価を味わうには、正しく装着することも重要。アプリ「Headphone connect」では、イヤーピースの装着状態テストが可能です。AirPods Proにもある機能ですね。

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あえて右側(R側)だけズラして装着してみましたが、しっかりと認識してるみたい。イヤーピースのサイズ比較なんてこともできまして、S・M・Lのイヤーピースから2種類をチョイスし付け替えながら装着テストをすると、どちらのイヤーピースの方が耳に合っているかを教えてくれます。僕は普段Mサイズのイヤーピースを使ってますが、Sをオススメされました。

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装着自体も、XM3よりスマートになった気がします。マイク部分と上部をつまんで構えて、耳にギュイっとねじり込みながら入れると、毎回同じ位置にフィッティングできました。装着のたびにスイートスポットを探す必要はなし。フィッティングに関しても、確実に進化していますね。

カフェを、電車を、自宅を、オーディオルームに変える

本来、ノイキャンは電車や飛行機のような低音のノイズには効果的でしたが、女声のような高い音の消音化は苦手としていました。アクティブノイキャンは鳴っている音に対して逆位相の音をぶつけることで消音を実現していますが、高い音=高周波は振幅が早く、逆位相信号の生成が間に合わないからです。

XM4のV1プロセッサーは処理速度の向上により、ここが大幅に改善。従来の低音ノイズに加えて、人の話し声のような中音域〜高音域へのノイキャン性能がアップしています。そのキャンセルっぷりは、明らかに今までのノイキャンワイヤレスとは一線を画していると感じました。

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コメダ珈琲で試してみると、ガヤガヤした雑音はもちろん、3メートル向こうのテーブルの会話もほとんど聞こえなくなりました。いくらかは聞こえてきますが、手持ちのAirPods ProやJabra Elite 75tと比較してみると、格段にボリュームが絞られています。低音ノイズも大幅にカットできていて、今までのノイキャンの静けさが「スー…」だったとすると、XM4は「……」と表現したくなるような、常に鳴っている音そのものが消音されています。

駅や電車のような低音ノイズがあふれかえる場所は、まさにXM4の得意とするところ。電車やバスに乗っていると、エンジン音だけでなく振動による音や衣擦れの音までカットしてしまうので、まるで自分を含めた世界そのものをミュートしたように錯覚します。さすがにアナウンスは聞こえますが、昨今のノイキャン性能からは一歩踏み込んだ消音っぷりなのは間違いありません。体は揺れるのに音は聞こえない、不思議な感覚。

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外音取り込み(アンビエントモード)の精度も高く、違和感なし。マイク性能の良さが効いてるのかもですね。アプリからは外音取り込みのレベル調整が可能です。0にすると弱めのノイキャンくらいの取り込み量になるので、ノイキャンが静かすぎて不安という人は、外音取り込みで調整すると良いかも。

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アプリからはイコライザーや、風ノイズの低減スピーク・トゥ・チャット(ノイキャンONの時に話し始めると自動で外音取り込みになる)などの設定も可能。風が強い日にノイキャンを使うと「ゴォー」みたいな大きな雑音が入るんですけど、風ノイズ低減をオンにするとそこがいくらか軽減されます。めちゃくちゃ改善されるってほどでもなく、かつ風がそこそこの強さのときには変化はありません。技術的にはフィードフォワードマイクが自動的にオフになるみたいです。

音質は、抜群。特に女声ボーカルやピアノなどの中〜高音に陶酔感を感じます。ノイズが抑えられた影響で、今までなら雑音に埋もれてしまっていた音の切れ端が聞こえるようになった気がしますね。低音はもうちょっと欲しいかなと思いますが、イコライザーで改善できるレベル。全体的に音のディテールが感じられて、ドライバーの振動もビリビリとした感じがなく余裕がある。おかげでイコライザーで調整しても鳴り方に余裕があると思いました。

そして、XM4はソニー独自の高音質コーデックLDACに対応し(対応コーデックはSBC、AAC、LDAC)、LDACを再生できる機器同士であればワイヤレスで96kHz/24bitのハイレゾ音質が楽しめます。が、iPhoneは非対応。XM3に実装されていた高音質技術「DSEE HX」を進化させた「DSEE Extreme」なら使えますが、この手のアップスケーリングどれほど効果があるのかと思っていたら、なんとブラインドテストでわかるほどにはオンオフの違いを感じました。よりダイナミクスが感じられて、小さい音や高い音が見えてくる。楽曲との相性にもよりますが、基本的にはオンにしていて良いでしょう。

弱点はないの?

音質、ノイキャン、大きさ、デザイン。どれを取っても高スコアなのは間違いなし。でも、気になる要素がないわけでもなく、まずタッチセンサーに割り当てられる機能が少ないです。

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割り当てられる機能がセットごとにプリセットされてしまっていて、自分でカスタムできないんですよね。右を再生コントロール、左をノイキャンに割り当てると、音量操作はできません。左の長押しやダブルタップに音量を割り当てられたら完璧だったのになぁ。

もうひとつは、装着感について。1時間半ほど装着しっぱなしにしていると、耳珠(ピアスのトラガス開けるところ)に圧迫感を感じてきました。XM4は耳穴に押し込んだ本体を耳珠で支えるようにしてフィットさせるので、どうしてもここに力がかかるみたい。

イヤホンの装着感は個人差が大きい要素ですが、XM3が3点で支える構造だったのに対して、XM4は接触面が増えるよう設計してあるとのこと。そのおかげで安定感や遮音性はアップしましたが、同時に耳に掛かる力も増えたように感じます。まぁ、疲れてきたらちょっと外して耳を休ませましょうか。

あとはコーデックについてですが、aptXをスルーしてLDACを採用した点はちょっと勘ぐっちゃいますよね。今や多くのAndroidスマホにLDACが採用されているので、正直それならaptXと両立させるうまみは特にないってことかなぁ。aptXの環境を揃えていたワイヤレスオーディオファンからするとデメリットというかもったいないものがありますが、これを機にLDACに絞ってみる?

エコパッケージ、良いねこれ

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XM4のパッケージには、ソニーが独自開発したサスティナブルな紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」が採用されています。おかげでパッケージ全体がとーってもコンパクト。良いイヤホンってやたら大きなケースに入ってたりするけど、あれってバラして捨てるの面倒じゃないですか?

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このパッケージならそんなことはなく、分解やゴミ捨ても簡単。紙素材ゆえの手触りやエンボスの質感も良いですね。付属のイヤーピースだけは、何か小袋的なものに入れて保管しておいた方が良いでしょう。違うサイズが必要になる時も来るかもしれない。

次のワイヤレスイヤホン競争が、ここからはじまる

いつだって業界をリードしてきたソニー。XM3がそうだったように、今回のWF-1000XM4も、音質やノイキャン性能において現時点のワイヤレスイヤホン業界を頭一つ分引き離してしまいました。2019年頃後半、AirPods Proのノイキャンがベンチマークとして語られていたように、今後はXM4のノイキャンがある種の目安として語られるでしょう。

思えばAirPods Proは、iOSユーザーに向けたデザインやノイキャン性能こそずば抜けていたものの、3万円近い価格に相応しい音質とは言えませんでした、僕の感想だと。そもそもワイヤレスの時点で音質には限度があるし、その割り切りは仕方ないもの。僕も、ずっとそう思っていました。

でも、XM4はワイヤレス音質の限界を超えてきたように感じたんです。限界突破を可能にしたのは、やっぱりノイキャン性能。

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すなわち、XM4の圧倒的な静寂性があって初めて聞こえる音があり、それってノイキャンのおかげで届き得たサウンド=高音質なのではないか。圧倒的静寂だからこそ、DSEE Extremeのようなアップスケーリングによる微細な変化にも気づけたのではないか。XM4は、ノイキャンによってワイヤレスイヤホンの音質レベルを引き上げたんだ!

音が良いという言葉にはとても多くの意味が含まれますが、WF-1000XM4は、いまこの時この場を、音楽と自分だけにしてくれる力があります。静謐だから、今までよりもっと音楽が聞こえる。ノイキャンワイヤレスここに極まれり、もうそう言うしかありません。

ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM4 : 完全ワイヤレス/Amazon Alexa搭載/Bluetooth/LDAC対応/ハイレゾ相当 最大8時間連続再生/高精度通話品質/IPX4防滴性能/ ワイヤレス充電対応/2021年モデル / マイク付き 360 Reality Audio認定モデル プラチナシルバー WF-1000XM4 SM

Photos: ヤマダユウス型

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