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Sunday, March 28, 2021

ニーズの変化で人気低迷 惜しまれつつ消えたステーションワゴン5車種 - livedoor

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消えた印象的なステーションワゴンを振り返る

 1989年にスバル「レガシィ」が誕生し、高性能かつオールマイティに使える「ツーリングワゴン」が大ヒットを記録しました。

 そして、スバルに追従するように国産各メーカーからステーションワゴンが次々に登場して、ちょっとしたブームが起こったほどです。

惜しまれつつも姿を消してしまったステーションワゴンたち

【画像】こんなカッコいいのに! 惜しまれつつも姿を消してしまったステーションワゴン(25枚)

 しかし、近年はニーズの変化からステーションワゴン人気は低迷し、ラインナップは激減してしまいました。

 一方、欧州車ではまだまだステーションワゴンは豊富で、国産車ではトヨタ「カローラツーリング」やスバル「レヴォーグ」が健闘するなど、復活の兆しもあります。

 そこで、惜しまれつつ消えた個性的なステーションワゴンを5車種ピックアップして紹介します。

●日産「ステージア」

国産Lサイズ・ステーションワゴンの代名詞的存在だった2代目「ステージア」

 現在、日産のラインナップからステーションワゴンは消滅してしまいましたが、かつては数多くのステーションワゴンを展開していました。なかでも好調なセールスを記録したモデルが「ステージア」です。

 1996年に発売された初代ステージアは、輸入車で占められていたLクラス・ステーションワゴン市場に参入し、スタイリッシュなフォルムと高い走行性能から一躍ヒット作となりました。

 そして、2001年には2代目が登場すると、ボディはより大型化かつ洗練されたデザインへと変貌。外観は現在のトレンドであるリアゲートが傾斜したクーペフォルムではなく、ステーションワゴンの王道というべきロングルーフの伸びやかなスタイルを採用しました。

 エンジンは初代の直列6気筒から3リッターと2.5リッターのV型6気筒にスイッチされ、「250t RS FOUR V」にはステージア専用に開発された最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ターボを搭載するなど、日産も相当気合が入っていました。

 さらに、コーナリング性能を高める4輪操舵システム「電動SUPER HICAS」を搭載した「250t RS FOUR V/HICAS」がラインナップされるなど運動性能も重視。

 しかし、2007年には販売低迷からステージアは生産終了となり、後継車はありませんでした。

●ホンダ「アコードツアラー」

スタイリッシュかつスポーティなデザインが特徴の「アコードツアラー」

 1976年に誕生したホンダ初代「アコード」は、当初3ドアハッチバッククーペのみでしたが、すぐに4ドアセダンが加わり主力となりました。

 そして、4代目では1991年にシリーズ初のステーションワゴンとして「アコードワゴン」が追加ラインナップされました。

 アメリカホンダで開発・生産されたアコードワゴンは、好景気とステーションワゴンブームという背景や、洗練されたデザインよってヒットを記録。

 その後、アコードワゴンは代を重ね、2008年には車名を「アコードツアラー」に改められた5代目が登場すると、それまでのアメリカナイズされた印象から欧州製ステーションワゴンに通じるスポーティなフォルムへと変貌しました。

 搭載されたエンジンは全グレードが2.4リッター直列4気筒で、最高出力206馬力を発揮。トランスミッションは5速ATのみです。

 2011年のマイナーチェンジでは、2リッターエンジン車が追加されるとともに、2.4リッターエンジン車には高い運動性能と快適性を両立した「タイプS」を追加ラインナップ。

 タイプSは専用セッティングのスポーツサスペンションに、17インチの大径フロントブレーキディスクを装着。外観も専用デザインのフロントグリルやヘッドライト、空力性能に優れたフロントスポイラーやサイドシルガーニッシュなどが採用され、走りも見た目もスポーティに演出されています。

 しかし、アコードツアラーが登場した時にはすでにステーションワゴンの人気は低迷しており、2013年に国内向けモデルの生産を終了。この代限りで、アコードのステーションワゴンは海外も含め消滅してしまいました。

●三菱「レグナム」

パワフルさと先進さを併せ持っていたステーションワゴンの「レグナム」

 1996年に発売された三菱「レグナム」は、8代目「ギャラン」のステーションワゴン版として開発されたモデルで、主要なコンポーネンツと内外装のデザインの多くはギャランと共通です。

 まさにレガシィ ツーリングワゴンに対抗したモデルで、精悍なフロントフェイスと伸びやかにデザインされたキャビンが特徴です。

 エンジンは量産車では世界初のガソリン直噴エンジン(1.8リッター)を設定。トップグレードの「VR-4」には、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせています。

 VR-4にはリアの左右駆動力配分を電子制御して旋回性能を高める「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」を装備し、4輪マルチリンクサスペンションと相まって、高い運動性能を誇りました。

 1998年には、専用の大型エアロパーツ、ラリーアート製スポーツマフラー、MOMO製本革巻ステアリングホイール、レカロ製バケットシートなどが装備された特別仕様車「スーパーVR-4」を発売するなど、魅力的なラインナップを展開。

 しかし、三菱の経営状態悪化とステーションワゴン人気の低下から2002年に生産を終了。後継車はなく、後に三菱のラインナップからステーションワゴンが消えて現在に至ります。

高性能なモデルと実用性バツグンなモデル

●スバル「エクシーガ」

高性能で優れたユーティリティながら生き残れなかった「エクシーガ」

 2008年に登場したスバル「エクシーガ」は、レガシィ ツーリングワゴンで培ったステーションワゴンのノウハウを生かし、3列シートで7人乗車の広い室内空間を実現したミニバンにカテゴライズされるモデルです。

 スバルはエクシーガを「7シーターパノラマツーリング」や「スバルらしい多人数乗り車」と表現するなど、あえてミニバンとはアピールしませんでした。

 実際、スタイルは一見すると背が高めのステーションワゴンという印象で、シャープなフロントフェイスと伸びやかなフォルムによって見た目からも走りの良さが感じられます。

 主要なコンポーネンツはレガシィ ツーリングワゴンと共有して開発され、発売当初はパワフルなターボと自然吸気の2リッター水平対向4気筒DOHCエンジンを搭載し、駆動方式はFFとフルタイムAWDを設定。

 2009年には2.5リッター自然吸気エンジン搭載車を追加ラインナップするなど、ツアラーという面を強化しました。

 その後、SUV人気が上昇中だった2015年には、エクシーガの内外装にSUVの要素を取り入れた「エクシーガ クロスオーバー7」にバトンタッチされましたが2018年に生産を終了し、スバルの国内ラインナップから3列シート車が消滅しました。

 各メーカーともヒンジドアの3列シートミニバンはことごとく消えていきましたが、エクシーガを3列シートの高性能ステーションワゴンとして見ると、かなり魅力的な1台ではないでしょうか。

●トヨタ「サクシード」

実用的で安価で走りも優れていた「サクシード」(画像はバンモデル)

 現在、トヨタのステーションワゴンラインナップは、前述のカローラツーリングと、グレードを絞って継続販売されている「カローラフィールダー」、そして2021年3月をもって生産終了が決定している「プリウスα」があります。

 これら生粋の乗用モデルとは別に、かつてライトバンの「プロボックス/サクシード」にもステーションワゴンとして乗用モデルがラインナップされていました。

 2002年に誕生したプロボックス/サクシードは初代「ヴィッツ」のコンポーネンツを使って開発され、ライトバンとしての機能に特化したモデルです。

 プロボックスとサクシードはフロントフェイスとリアまわりのデザインが異なり、飾り気の無いプロボックスに対してサクシードはより洗練された印象で、シートなど内装の仕立てもサクシードが上位に位置していました。

 乗用モデルはプロボックス/サクシードともに設定されていましたが、プロボックスは5速MTが選べたのに対し、サクシードは4速ATのみです。

 2014年にプラットフォームを一新するビッグマイナーチェンジがおこなわれた際に、デザインの統一と乗用モデルが廃止され、2020年にはプロボックスに一本化されてサクシードは消滅。

 サクシード ワゴンは5ナンバーサイズの垢抜けたデザインの外観で、軽量な車体に荷物の積載能力もバツグン。さらに当時の価格も150万円(消費税8%込)からと安価に設定された優等生というべきステーションワゴンでした。

※ ※ ※

 冒頭にあるとおり新型レヴォーグの販売が好調で、2021年1月には4692台、2月には3677台を販売し、スバル車ではトップセラーです。

 また、2020年6月にはカローラツーリングに2リッターエンジンを搭載した限定車「カローラツーリング 2000リミテッド」が発売されると、すぐに完売する人気ぶりでした。

 絶対数は多くありませんが、欧州車ではボルボやBMWのステーションワゴンも高い人気をキープしています。

 ステーションワゴンの魅力は優れたユーティリティとドライビングプレジャーを両立していることですから、今後の復権も期待できますが、国内メーカーのラインナップが増えていない現状を考えるとまだまだ厳しい状況が続きそうです。

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